「南極大陸で大規模な融雪、温暖化の影響か」2005年の1月に「異常事態」が起こっていたことがNASAの科学者によって衛星で観測されていたというニュースが2007年5月末に流れた。記憶している方も多いであろう。これは本当に地球温暖化の影響だろうか?
ここのところ南半球は北半球に比べて気温は上昇しておらず、南極は南極半島をのぞいて寒冷化の傾向があるそうである。南極の氷床は厚くなっているという観測結果もある中でこの発表である。温暖化論者や環境活動家が過敏な反応を示すのも無理はなかろう。筆者もこのニュースには別の意味で少々驚いた。
Svensmarkの宇宙線-雲量関連説によれば南極は雲が少なくなると例外的に寒冷化するのだそうだ。理由は雲のアルベドと氷床のアルベドでは氷床の方が大きいためだそうだ。雲は温室効果があり氷床が反射した太陽放射を吸収したり再反射をして地表に返したりするのかもしれない。(この部分筆者の想像)それで雲のない南極は北半球とは逆に寒冷化するのだという。
またJaworowskiは氷床コアからの過去の二酸化炭素濃度の再構築に異論を唱えているが、その理由のひとつが融雪による万年雪内での大気の通過障害である。実は1万年前に積もった雪から抽出された大気はたとえば9000年前とか8000年前として氷よりも「若く」解釈されているのだ。それは万年雪がある程度の深さまで達して初めて圧力で氷になるまで中の大気が自由に交通できると考えているからだ。ところが、Jaworowskiは今回NASAが観測したような融雪がしょっちゅう大規模に起こっており一度溶けて再凍結したら上下の交通は妨げられるのでその理論はおかしいと以下のように主張しているのだ。もしかしたらこれは彼の主張を直接裏付ける観測結果かもしれない。
「太陽放射による融雪は-24℃以下多くの場所はしばしば観測されており、万年雪中のアイスクラフトの形成は平均気温が-57℃のところでも記録されている。そしてこれらの氷の層は十分に厚く大気を通過させず、数十kmにも広がっている。このような氷の層は厚さ1m中に1~15層も認められる」
1月といえば南極の夏、Svensmarkのいう「雲のない時代」の太陽光が雪面に直接降り注ぐ――でも反射される――と考えていたらこんな記事があった。温暖化の原因は汚れた雪だそうだ。太陽がもっとも地球に接近しており日照時間も長いはず。そこに汚れた雪によるアルベドの低下があれば南極でも雪が溶けて不思議はないかも。雪が汚れたのは人間活動が原因か?比較的人間活動の場から離れた南極だけにそのあたりは問題があるかもしれないが、ひとつの可能性として考えておこう。温暖化論者やどうしても人間を悪者にしたい環境活動家はそれまでも「人為的温暖化」と主張するのだろうか? [0回]
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