明治時代にハレー彗星が接近したときの逸話がある。「ハレー彗星が接近したときに空気がなくなるというデマがとんで自転車のチューブを売って大金を稼いだ人がいた」という話だ。筆者はこの話を知ってはいたのだが、子供向けの雑誌で読んだため長い間疑問に思っていたことがあった。ひとつは「なぜ人はチューブを買いに走ったのか」ということである。地球上から空気がなくなればいづれはみんな死んでしまう。チューブの中の空気を吸って数時間かそこら他人より長生きしても仕方があるまい、そう思った。次にこの期に及んでチューブを売ってお金を儲けてもこれまた仕方があるまい、とずっと思っていた。ところが最近「
ゴーヤンのぼやき日記」というブログを読んで長年の疑問が氷解した。デマによると空気がなくなるのは「一時的」だったのだ。つまりその間さえなんとかすれば助かる可能性があったというわけだ。なるほどそういうことかとつくづく感心してしまった。
ここで現在に時間をもどす。悪徳リフォームはどうか。
「このままでは家が保ちませんよ」
「でも今リフォームすれば大丈夫です」。
また振り込め詐欺では
「ご主人が痴漢でつかまりました」
「でも今示談金を払えば大丈夫ですよ」。
まったく同じパターンである。まず相手を絶望のどん底に叩き落とす。しかし完全に絶望させてはいけない。そこですかさず解決策として一筋の光明を示すのだ。そしてそれが唯一の方法であることを示せば相手は必ず飛びついてくる。実に巧妙な手口だ。
「何を今更、そんなの詐欺のイロハじゃないか」などというなかれ。それならこれはどうだ。
「このままでは地球温暖化で2100年の地球はボロボロですよ」
「でも今ならまだ間に合いますよ。京都議定書いりませんか?」
全くおんなじだ!
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