拙ブログでもたびたび紹介してきたように太陽活動と地球の平均気温が密接な関係にあることは疑う余地がない。今回はIPCCや二酸化炭素温暖化説に大ダメージを与えたJager and Duhauの論文を紹介する。
彼らは太陽活動の指標として一般に用いられている相対黒点数を太陽のequatorial activity(赤道活動)指標の代表としてとして過去400年の北半球の平均気温の推移と比較した。(リンク先のFig1、Fig2)二つの図を見れば一目瞭然、この400年間は両者ともに上昇傾向にありよく似た変動をしていることがわかる。さすがにこれは温暖化論者でも同意せざるを得まい。
次に彼らは太陽のpolar activity(極活動)指標として太陽黒点最小期のaa指数を使用し、このpolar activity(極活動)がどれくらい地球の温度変化に影響を与えているかをaa指数の実測が始まった1844年から近年の温暖化が起こる前の1960年まで北半球の温度変化を次式によって調べた。
Temprature=a+b(相対黒点数)+c(aa指数)
(a、b、cは定数)
結果は(aは初期値のみで意味のない数値)
b=0.1444±0.031
c=0.043±0.009
ということになった。つまりbとcの大きさを比較するとpolar activity(極活動)の地球の気候への寄与度は30%ということになる。
彼らは最後にこの式により予想される温度(Tcal)と実測値(Tobs)との差をΔTとして
ΔT= Tobs-Tcal
1600年から2000年までのグラフを描いた。(Fig4)
図はde Jager, C. and Duhau, S. 2009より引用
図を見ると明らかなように太陽活動からのズレは予測される計算値から上下0.3℃の温度変化に収まっており、Fig2で認めた直線的な変化の上にもうひとつ±0.3℃の小さな波が上書きされて乗っているように見える。そして現在の温暖化も決して突出した異常な温度上昇ではなく過去の気候変動と比べても何ら矛盾しない範疇にあるということだ。これは現在の温暖化がunprecedented(先例のない)とするIPCCや温暖化論者の主張を根底から否定するものである。
また1600年からの直線的な気温上昇の上に小さな波がsuperimposeされているというのは赤祖父俊一の主張と全く同じである。この論文は赤祖父の主張を1600年まで過去に遡らせたことになる。と思ったら謝辞にSyun Akasofuと書いてあった・・・・。
参考文献
赤祖父俊一 正しく知る地球温暖化(誠文堂新光社)2008
参考サイト
COMMENT
電離層における太陽の影響
http://www.tedako.net/tsumura-shoten/shop/index.cgi?mode=item_view&no=BK-42035
↓ pdfファイル有り
http://www.kuba.co.jp/cpea/
オーロラでも、わかるように地球の電離層は、太陽の影響が敏感な部分です。
そして電離層における太陽の影響が、対流圏まで、伝わります。
これは地球全体が、電気回路であるからだと推測されます。