サクラの開花はつぼみが成長する2月、3月の気温に密接に関係している。Aonoらは過去の日記や記録から京都のヤマザクラの満開日を特定し、生物季節学的データから3月の平均気温の推移を再構築している。
まずA.D.801年から2005年までの1205年間のうち6割強に当たる732年間のヤマザクラの満開日を日記や古文書から特定し、それらを太陽暦day of year(DOY)に変換した。この結果はもっとも早い満開は1409年のDOY86、もっとも遅い年は1506年のDOY128だった。また現在(1971から2000年)の平均がDOY98(4月8日)であるのに対して、DOY110から120の比較的遅い時期の満開が13世紀初頭、15世紀中ごろ、17世紀遅くと約200年周期で起こっていた。さらにこの期間を歴史時代(801-1880)と計器測定時代(1881-2005)に分け、1911年から1940年までの実際の温度測定記録とDOYデータから満開日と3月の月平均気温の関係式を確立し残りの計器測定時代で検証、よく再現されていることを確認した。この関係式を歴史時代にも当てはめて満開日から1200年にわたる京都の3月の平均気温の推定を行った。これを統計学的処理によって31年で平滑化し(このあたりの統計学的な処理は私の能力では理解困難!)、得られた3月の平均気温の推移を太陽黒点数と比較したところ上記の開花時期の遅い期間はいずれも太陽黒点数の少ない時期と一致していた。しかし一般に中世温暖期と呼ばれる11世紀から13世紀にかけての太陽黒点増大期の3月の月平均気温はむしろ低かったが、この原因は明らかではなかった。(図参照)
Aono, Y. and Kazui,K.
Phenological data series of cherry tree flowering in Kyoto, Japan, and its application to reconstruction of springtime temperatures since the 9th century. より
上段のa)はSolankiらの論文から得た太陽相対黒点数。下段のb)は3月の京都の平均気温の推移。
影の部分は太陽活動停滞期。
最後に1750年以降の約11年の短期の太陽活動周期長の変化と3月の平均気温の推移を比較し、平均気温の応答は太陽活動の変化から約15年のタイムラグがあることを見出している。他の研究では気候応答時間の遅れは14年から20年とされており、これらと大差ない数値である。
個人的にはこのように古文書から地道にデータを積み重ねていくような論文が好みである。最近ではTanらが中国の古文書からチベット高原北縁Longxiでの降水を研究したものがある。ここでもこの地域の降水(=アジア夏季モンスーンの強度)と太陽黒点との強い関連が示唆されている。
このように太陽活動と地球の気候に密接な関連があることは疑いのない事実だが、CO2、CO2とお題目を唱えている温暖化論者にはどうしても理解できないようだ。連中の思い込みの強さにはもはやあきれるしかない。
参考論文
Solanki, S.K.et al. Unusual activity of the Sun during recent decades compared to the previous 11,000 years. Nature 431: 1084-1087(2008)
参考サイト
CO2science
Cherry Blossoms and Climate Change in Kyoto
(2008年10月16日一部修正)
[1回]
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COMMENT
地球温暖化「事件」、二酸化炭素「主犯説」の逆説
例えば、20世紀中の南極の平均気温変化。
けれど二酸化炭素が与える影響が微々たることは、気候や物理学の知識が無くても、簡単な統計で説明できます。
20世紀中の大気中の二酸化炭素の量は、過去数十万年中、圧倒的に最大です。
けれど、気温の方は月並みです。
過去、数千年間でも20世紀より高い時期は何度もありました。
だから、この統計的事実を踏まえて、二酸化炭素の温暖化「主役」説を主張し続けるは無茶苦茶でしょう。
なぜなら、「もし二酸化炭素が増加しなければ、20世紀はとんでもない寒冷の時代だったと」主張しているのと同じですから。
Re:地球温暖化「事件」、二酸化炭素「主犯説」の逆説
>地球の気候変化を太陽の影響だけで、説明するのは無理があります。
>例えば、20世紀中の南極の平均気温変化。
★南極の温度変化について私の認識は南極半島のみが温暖化傾向(よくマスメディアで騒がれるのはここで起こっていることです)、その他の地域は寒冷化もしくはヨコバイです。たとえば↓
http://svs.gsfc.nasa.gov/vis/a000000/a003100/a003188/index.html
この傾向は私としてはSvensmark理論まで踏まえたアルベド効果で説明ができると考えています。つまり太陽活動↑で雲ができにくくなって海洋は温暖化。南極半島は海に囲まれておりその影響が強く出て温暖化。しかし大陸全体は雲がない分新雪によるアルベド効果で寒冷化、というパターンだろうと推測しています。実際はそんな単純なものではないでしょうが、自分としてはそれなりに納得しています。
>20世紀中の大気中の二酸化炭素の量は、過去数十万年中、圧倒的に最大です。
>けれど、気温の方は月並みです。
>過去、数千年間でも20世紀より高い時期は何度もありました。
★CO2濃度の解釈について私は少し違う考えですが、ここでは繰り返しになりますので触れません。気温に関してはハンセンはこの100万年だか200万年で現在が一番気温が高くCO2も高いと主張しているようです。IPCCはこの2000年で今が一番高温として中世の温暖期については認めていません。縄文時代の気候最適期といわれる時代をIPCCが認めているのかどうか私は知りませんし興味もありませんが、彼らの主張自体には矛盾がないと私は理解しています。
>だから、この統計的事実を踏まえて、二酸化炭素の温暖化「主役」説を主張し続けるは無茶苦茶でしょう。
★私も彼らの主張を認めていません。「今より暖かい時代が存在した」ことを証明すれば彼らは逃げ場を失います。証拠はたくさんあがっているのですが局所的なものだとかいってのらりくらりと逃げられてなかなか自白まで追い込めない状況です。(笑)
>地球温暖化「事件」、二酸化炭素「主犯説」の逆説
トラックバックがうまくいかない。
引用させてもらいました。
意地悪な悪魔のささやき
はれほれさんは、真摯に地球温暖化の謎に取り組んでいますが、私は、二酸化炭素「犯人説」を主張している人達をからかって楽しんでいるだけなのですから。
だから20世紀中の南極が温暖化していないことに注目するのです。
二酸化炭素「犯人説」が根拠としている過去数十万年の気温の変化と二酸化炭素の増減のデータは南極のデーターです。
だから二酸化炭素が急速に増えているのに、温暖化しないのは「不都合なデータ」なのです。
はれほれさんは、南極の過去数十万年のデータを、ハワイの過去50年のデータと比較することはおかしいという立場なのは重々承知しています。
関係ないですが、私のパソコンはアップルのiMacで、OSはレオパルドです。故障もなく使いやすいです。
Re:意地悪な悪魔のささやき
>はれほれさんは、真摯に地球温暖化の謎に取り組んでいますが、私は、二酸化炭素「犯人説」を主張している人達をからかって楽しんでいるだけなのですから。
★Ookuboさんのちょっと斜に構えたような軽いタッチは私にはないものでうらやましいですね。私はどうも肩肘を張りすぎていたようです。「俺の税金を温暖化対策などに使うな!」というのが私の原点だったのですが、税金の無駄遣いはこれに限ったことでなくもっと大きなムダがたくさんありますのでこれだけ取り上げて騒いだところで仕方がないか、と最近は達観しております。(笑)しかもこの数年収めるよりも税金から施しを受ける方が多くなったような。そんなに目くじら立てなくても、というところです。(笑)
>二酸化炭素「犯人説」が根拠としている過去数十万年の気温の変化と二酸化炭素の増減のデータは南極のデーターです。
>だから二酸化炭素が急速に増えているのに、温暖化しないのは「不都合なデータ」なのです。
★そうですね。水蒸気の少ない極地方での昇温が顕著というのが温室効果理論の基本でしたね。温暖化論者はシベリアの温暖化や北極海の氷の減少は騒ぐくせに南極大陸についてはあまり触れませんね。一度お偉い先生の言い訳を聞いてみたいものです。(笑)
小学生でもわかる懐疑論:統計で疑おう!
1600年末から急速に温暖化しているグラフがあります。
例えば、槌田先生が引用しているグラフや赤祖父先生が引用しているグラフ。
1600年代は、マウンダー氷小期だったんで、かなり寒い時期でした。
1700年の少し前に底を打って、現代までの300年以上も温暖化が続いていることになります。
これが日経平均なら嬉しいんですけど(笑)。
でもよく考えると、温暖化は寒冷化よりいい気がします。
でも、もうそろそろ寒冷化が来てもおかしくない時期かもしれません。
Re:小学生でもわかる懐疑論:統計で疑おう!
>1600年末から急速に温暖化しているグラフがあります。
>例えば、槌田先生が引用しているグラフや赤祖父先生が引用しているグラフ。
「正しく知る地球温暖化」の83ページあたりのグラフでしょうか?
>1600年代は、マウンダー氷小期だったんで、かなり寒い時期でした。
>1700年の少し前に底を打って、現代までの300年以上も温暖化が続いていることになります。
赤祖父先生もあの0.6℃/100年の直線は1800年あるいはそれ以前まで伸ばせるかもしれないとおっしゃっていますね。Ookuboさんの言われるように1600年まで可能ならなんといっても産業革命の前からになります。
>でも、もうそろそろ寒冷化が来てもおかしくない時期かもしれません。
私もそうなると予想しています。でも温暖化論者達は「これは一時的な寒冷化で長期的には地球は温暖化傾向にあるのは間違いない。」などと10年くらいは強弁しそうですね。(笑)その間にしこたま税金から研究費をふんだくってあとは知らんぷり。それが彼ら流の処世術です。すでにそういう予防線を張っている人をどこかで見たような・・・。(笑)
» 小学生でもわかる懐疑論:統計で疑おう! その2
槌田敦・著『CO2温暖化説は間違っている』は、九十三頁で過去二千年のグラフを掲載しています。
また丸山茂徳・著『科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている』は、三十三頁に過去400年のグラフを掲載しています。
赤祖父先生や槌田先生の過去千年以上のグラフでは、現在よりも暑い時期があったことがわかります。
また温度の上下の幅や温度変化のスピードも20世紀よりも早いです。
補足資料
一方、最近の温暖化を自然現象として説明することも可能である。多くの人々は現代の急激な温暖化について人類の経験したものではないと根拠なく信じているが、このような急激な気温上昇は歴史を見れば別に不思議なことではない。「図表4−2」に屋久杉の安定炭素同位体分析から明らかにされた歴史時代の気候復原図を示すが、これによると、気温の上昇・下降は、10年〜20年で激しく揺れていて、50年間に2℃上昇、そして下降などということは頻繁に起こっている。特に、1700年代の江戸期から現在(2000年)までの大掛かりな温暖化とよく似ている。どちらもほぼ300年間に4℃程度も上昇した。現代の温暖化を極端な異常気象をすることはないのである。飛鳥から平安への温暖化を人間活動のせいにするわけにはいかないから、最近の温暖化も、単なる自然現象である可能性が高い。その場合、驚きあわてて京都議定書など作り、温暖化対策の活動をしても無駄である。そして、無駄というだけなら別に大きな問題ではないが、その温暖化対策は次章で示すように回復不可能な損失をともなうのである。ところで、温暖化と寒冷化、どちらが人類にとって深刻なことか。直観としては寒冷化であり、重要なのは食糧問題である。
略
重要な事実は、古代文明以後、長期にわたって気温は下降をつづけていることである。「図表4−3」は、尾瀬ヶ原の泥炭層の花粉分析の結果である。この「図表4−3」を参考にして温暖期と寒冷期を100年ごとにおおまかにまとめると、「図表4−4」が得られる。この表から最近の3000年間に、3回の寒冷期があったことが分かる。これらの時期には激しい戦争と民族移動があった。「図表4−5」は、過去2万5000年間の花粉、樹相、氷河からまとめた気温の変化である。これによれば、7000年前に高温期があり、それ以後長期低下傾向にある。特に注意すべきは、その間に3回、約2000年の間隔で、約2℃の温度降下をもたらす小氷期がある。前回の最高気温記が2000年前であるから、現在が最高気温であり、まもなく気温が下がっていくとした1970年ごろの気象学者の予想は今でも考慮に値する。ところで、これらの温暖期や寒冷期は滑らかに温度が変わるのではなく、10〜20年で激しく揺れている。そのことは、「図表4−1」の屋久杉の炭素同位体分析から知ることができるが、その度、人間は翻弄されてきた。なぜ気温が変動するのか、その理由はまったく分かっていない。
略
気象現象は複雑で、翌日の天気予報も当てにならないだけでなく、10年後、100年後の平均気温を予測することはまったく不可能である。結局、過去の経験から未来を類推するしか方法はない。「図表4−4」から分かることは、温暖期は急速に短くなっており、逆に寒冷期は長くなっていることである。とすれば、現在の温暖期はまもなく閉じて、近い将来に次の寒冷期を迎えると予想される。
Re:補足資料
http://go-morry.seesaa.net/article/91590727.html
さまざまな研究者が多くのプロキシを使って過去の気温変化を研究しています。これは裏を返せばどのプロキシも一長一短があり絶対的なものがないということでしょう。プロキシの条件としては第一に気温以外の影響をあまり受けないこと、第二に(ローカルではなくて)全世界レベルでの気温変化を反映していることなどがあげられます。
Ookuboさんの引用された3冊はすべて持っております。お手を煩わせて申し訳ありませんでした。順に1.赤祖父先生:大西洋海底堆積物の酸素同位体比、2.槌田先生:屋久杉の炭素同位体比δ13C、最後も3.丸山先生:縄文杉の炭素同位体比δ13Cですね。
私の理解では赤祖父先生の1.酸素同位体比が上記二つの条件に近いと考えています。ただしタイムラグがあり時間分解能もあまりよくないです。2、3は共にδ13Cですが。これはもっと長期の(数万年から数十万年レベル)での気候変化のほうに適しているのではないかと思っています。十年単位のような気温の再構築にはどうでしょうか?オリジナルの論文を読んでいないので何とも言えませんが・・・・。槌田先生は花粉を分析したデータも引用されていますが、これは時間分解能や気候の反映などの点では申し分ないのですが、やはり「ローカルな現象」と言われれば反論できません。
私自身は中世の温暖期は今より温暖で、さらに縄文時代はもっと温暖であったと考えているのですが、なかなか温暖化論者を完膚なきまでに叩きのめすだけのデータはないのが現状のようです。まあ彼らに何を言っても無駄でしょうけど。(笑)
気温に世界標準は存在しない。
コンピュータの世界も周りの環境に合わして変化しなければ適応できずに死滅にしていくのでしょう。
でも新しいOSが不必要にデカくなっていくのは、恐竜の最後に似ている気がします。
身軽で柔軟なのがいいと思うんですけど。
★
ところで、気温変化ですが、私は「全世界レベルでの気温変化を反映している」温度は存在しないと思います。
ローカルで当たり前なのです。
北極と南極の違いは、優れたサンプルです。
★
ただミクロ・レベルでは見えない変化がマクロ・レベルでは見えるということがあります。
その例が二酸化炭素と平均気温の因果関係です。
南極のアイス・コアから分かることは、数十万年という規模では、大気中の二酸化炭素の量と南極の平均気温は、相関しているということです。
丁寧に見ると、相関は数百年から数千年はズレているのです。
だから、20世紀という短い期間では、相関していなくても当然なのです。
★
また南半球と北半球では、気温変化が違います。
ユーラシア大陸でも、ヨーロッパ地方とチャイナ地方では違います。
オーストラリアやアフリカや南米の過去数千年の平均気温の経年変化を考慮に入れて考えるべきでしょう。
★
私は、現在の温暖化はマウンダー極小期以後の現象だと考えています。
だから百年単位の精密さで充分だと考えています。
太陽と地球の平均気温変化の関係も、百年単位で見えてくるマクロな現象だと思います。
顕微鏡的な精密さだけが、いいということはないのです。
天気予報はミステリアス
今度の冬にしても、どうなるか分からないと思います。
だから、数十年先や数百年先の天気は分からなくて当然です。
★
今の温暖化騒ぎの原因の一つに科学への過剰な信頼があると思うのです。
「実はよく分かっていない」とか「この仮説は間違いである可能性が高い」と正直に言えばいいのに、「この株は絶対に儲かります」みたいな感じになっています。
私が懐疑派の立場を取る理由は、詐欺師の仮面を被る疑似科学者をからかうためです。
Re:天気予報はミステリアス
>でも新しいOSが不必要にデカくなっていくのは、恐竜の最後に似ている
>気がします。 身軽で柔軟なのがいいと思うんですけど。
昔は64kBのメインメモリで何とかなっていたのですがね・・・・。ハードの進歩とともにOS・ソフトともに巨大化して贅沢になってきましたね。恐竜といわず人間社会を見るようです。収入が多くなればその分支出も増えるということでしょうか?私のような小市民には一生かけても使い切れないお金を一年で稼いだ人が借金まみれになって挙句のはてに詐欺まではたらくとは・・・・・。詐欺というのはコンピューターを扱って「未来予測」をするしか能のない自称科学者の特技だと思っていました。(笑)
>ところで、気温変化ですが、私は「全世界レベルでの気温変化を反映している」
>温度は存在しないと思います。
>ローカルで当たり前なのです。
理論的には、酸素同位体比やδ13Cは水や大気の循環を通じて十分長い期間であれば全世界的な気温変化の傾向を表します。ただδ13Cはローカルな山火事や火山噴火あるいは人類活動の影響を受けやすく短期間では信頼性が劣ると思います。オリジナルの論文でその辺がどのように補正されているのかはちょっとわかりませんけど。
>ただミクロ・レベルでは見えない変化がマクロ・レベルでは見える
>南極のアイス・コアから分かることは、数十万年という規模では、
>大気中の二酸化炭素の量と南極の平均気温は、相関している
>丁寧に見ると、相関は数百年から数千年はズレているのです。
>20世紀という短い期間では、相関していなくても当然なのです。
これは表現は違いますが、「二つのデータを同列には扱えない」という私の主張とも共通点があると思いますがいかがでしょうか。
>私は、現在の温暖化はマウンダー極小期以後の現象だと考えています。
赤祖父先生もそのように考えておられるようです。温暖化論者は気候の自然変動を無視しているというかやっぱりホッケースティック信者なのでしょう。
>今の温暖化騒ぎの原因の一つに科学への過剰な信頼があると思うのです。
>「実はよく分かっていない」とか「この仮説は間違いである可能性が高い」
>と正直に言えばいいのに、「この株は絶対に儲かります」みたいな感じ
>になっています。
しょせん「詐欺」というのはそういうものでしょう。(笑)
>私が懐疑派の立場を取る理由は、詐欺師の仮面を被る疑似科学者をからかうためです。
Ookuboさんは「からかう」余裕があってうらやましいです。私は競馬をやっている関係で「予想屋」というのはきちんと検証されてしかるべき評価を受けなければならないという考えを持っています。競馬ではレースが終わるたびに「回収率」といって予想通りに馬券を買ったらどれくらいのお金が返ってきたかという検証が常に行われています。その結果的中率が悪ければ配置換えになるなどペナルティを受けることになります。ところが、モデラーというのは自分が生きている間には検証されなくてすむ「2100年の予測」です。こんなことで死ぬまで給料(しかも私たちの税金です)がもらえればこれほど楽な仕事はないでしょう。「私は100年後のダービー馬の血統を当てて見せます」これで一生雇ってくれる競馬雑誌などどこにもありません。まあ、もう半分あきらめてますけど。本当はうらやましいだけなのかもしれません。(笑)
気温に世界標準は存在しない 2
建築など、「建ててみないと分からない」となると、高層建築など怖くて住めません。
飛行機も、「飛んでみないと分からない」となると、命がけです。
天気予報は、ハズレて怒る人も多いですが、ハズレるが当たり前になっている気がします。
ちなみに競馬は今やっていませんが、以前はワイドと単勝のみ買ってました。
★
気温は精確に再現できるというだけでは、「全世界レベルでの気温変化を反映している」とは言えないと思います。
例えば、過去十年ぐらいのNASAの世界の気温データや気象庁の日本の気温データは、かなり精確です。
でも丁寧に見れば見るほど、地域によって違いが目立ちます。
ある地域では記録上最高値が出ても、別の地域では平均並などということもざらです。
北極にしても、20世紀の後半より前半の方が気温の高い時期がありました。
これなどは、温暖化「危機」を訴える人には、「不都合なデータ」だと思います。
★
>「これは表現は違いますが、「二つのデータを同列には扱えない」という私の主張とも共通点があると思いますがいかがでしょうか。」
正直に言って、どこに共通点があるかわかりません。
私の場合は、素朴な実感から来ています。
例えば、人工衛星から見れば、日本列島の形が分かります。
けれど地上にいて、肉眼ではわかりません。
距離を離すことによって、見えてくるのです。
必要な精密さのレベルがあると思います。
逆に必要以上の精密さはいらないのです。
例えば、待ち合わせの場所にミリ単位の精確さはいりません、待ち合わせ時間に秒単位の精確さもいりません。
だから現代の温暖化が、過去数千年内で、月並みであることが示せれば充分だと思います。
また100年後の未来では、現在より優れた観測方法が発明され、観測データも豊富になると思います。
けれど私達は100年後の未来ではなく、現在にいるのです。
不十分かもしれませんが、それが科学なのです。
★
>「Ookuboさんは「からかう」余裕があってうらやましいです。」
私とはれほれさんでは、客層が違うと思います。
はれほれさんは専門家を相手にしてますが、私は一般大衆を相手にしています。
だから真面目に語る必要はないし、真面目に語るのは危険だと思っています。
私自身は専門家ではないので、アマチュアとして語っています。
だから「裸の王様」の子供の立場から、語るようにしているのです。
追記
これは仕方のないことですが、このことを考慮して、歴史を語るべきでしょう。
二酸化炭素の過去の数千年の経年変化データが、南極だけに依存していることは、「二酸化炭素・犯人説」の人には、かなり不都合な状況です。
タイム・マシーンが発明されればいいんですけど(笑)。
★
温暖化が騒がれ始めたのは、1980年頃ですが、赤祖父先生の本を読むと、20世紀の北極圏の温暖化の原因は、海流の変化だそうですね。
過去の海流の変化を復原するのは、極めて困難です。
丸山先生の主張は、雲の量が平均気温の決め手ということですが、過去の雲の再現も困難です。
丸山先生は、地球に入って来た宇宙線の量や地球の磁場の変動の記録で、過去の雲の量が分かると主張しているようですが・・・。
こんな説があります。
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=29078080&expand
» 気温に世界標準は存在しない 3
「ユーラシア大陸における近年の古気候復元研究は、例えば、バイカル湖やモンゴルのいくつかの湖から採取された堆積物コアから、氷河時代の気候変動が、南極やグリーンランドの氷床コアから得られたものとは、かなり異なる様相であることも示されてきた。たとえば、10万年周期の氷期−間氷期サイクルについても、その時系列変化の特徴が、南極やグリーンランドとはかなり異なっていることも明らかになってきた。」
以下のサイトから引用
http://www.coe.env.nagoya-u.ac.jp/meeting/international/fyh18/ws16.html
★
「数百〜数千年という時間スケールにおけるアジアモンスーン/ 偏西風の変遷がなぜ重要なのでしょうか.1990年代前半,グリーンランドにおいて採取された氷床コアの酸素同位体比(過去の気温を反映する指標と考えられている)の解析から,過去約10万年の間の最終氷期と呼ばれる時代に,数百〜数千年間隔で繰り返された気候変動の存在が明らかになりました.僅か10年余りの間に10度近くもの気温変化を伴うこの変動は,発見者の名前にちなんでダンスガード-オシュガー・サイクルと呼ばれ,その後の研究から少なくとも北半球全域に及ぶ規模であることがわかってきました.地質学的に見ると現在からさほど遠くない過去に起こったこれらの変動は1)非常に急激な変動であること,2)規模が大きいこと,そして3)周期が短いこと,から現在の気候の安定性を理解する上で無視することのできない,非常に重要な現象であると言えます.」
以下のサイトから引用
http://www-sys.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~paleo/kosa/kosa.htm
参考文献
安田喜憲『巨大災害の時代を生き抜く—ジェオゲノム・プロジェクト』 (ウェッジ選書)
参考データー
http://data.giss.nasa.gov/gistemp/station_data/
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