チベット高原の永久凍土は更新世末期に形成され気候の変動によってその地域的な広がりの中で増大、縮小を繰り返してきた。Jinらは更新世からの永久凍土の消長の歴史を報告している。彼らは期間を次の7つのに分けそれぞれの時期の永久凍土の広がりを地質学的な調査によって再現した。
1.後期更新世末期の寒冷期(35,000年前~10,800年前)
2.早期完新世の気候激変期(10,800年前~8,500-7,000年前)
3.中期完新世の大温暖期(8,500-7,000年前~4,000-3,000年前)
4.後期完新世の寒冷期(4,000-3,000年前~1,000年前)
5.後期完新世の温暖期(1,000年前~500年前)
6.小氷期(500年前~100年前)
7.現代の温暖期(100年前~)
「(3の)中期完新世の大温暖期には永久凍土全体の領域は現在の約40~50%であり年平均気温は2~3℃高かった。同様に(5の)後期完新世の温暖期には永久凍土の面積は現在より20~30%狭く現在より年平均気温にして1.5~2.0℃高かった。」
これを受けてIdsoは続ける。
「明らかに二つの時期の年平均気温はチベット高原のみに留まらず全世界に及ぶもので両者とも現在より著明に温暖だったと言える。それは気候警鐘家が中世の温暖期は北大西洋高緯度に限った現象だとか、現在は完新世の最高気温と同じくらい温暖で過去100万年の最高気温と比べても1℃も違わないというハンセンの主張を空虚に感じさせる。」
Mannのホッケースティックを世に出したIPCCは5の後期完新世の温暖期(一般には中世温暖期、MWPと呼ばれる)を軽視させるため「MWPはヨーロッパに限局したものであった」という苦し紛れのこじつけを主張していたのだが、その後世界各地から当時が温暖だったという証拠がうじゃうじゃ出てきた。というよりもともと存在したデータを無視した暴論であった。結局今回のJinらのチベット高原での永久凍土の広がりの研究においてもIPCCの誤りが再確認されたことになる。とにかくこのような連中が政策を立てれば世界がおかしな方向にいくのは確実である。早よ何とかせにゃぁ~~~。
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