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悪魔のささやき

気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!

   

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放射と衝突

注)この項は私の個人的な考えを述べたものです。計算には自信がありますが、考え方が間違っている可能性は否定しません。(笑)
 
大気からの再放射の解釈に端を発して、地球の熱収支図をめぐる議論がなされている。誰もが一度は見たことがある図だと思うが、基準図として猫田白重のサイトにあるこの図を挙げておく。近藤邦明は「この図の地表面の熱収支はすべて測定または推測可能であり、地表面の『定常状態』を保つためには大気からのbackradiationが必要である。」と主張している。
 これに対して私(たぶんGerlichやThimeも)は「熱移動に双方向はあり得ない。この二つはベクトル量として相殺するべきである。」という主張である。しかし大気からのbackradiationはともかく地表面からの放射の測定値はこの熱収支図の数値を支持しているというのが近藤の主張である。そこでそのあたりのことを考察し、苦し紛れ?に次のような例を考えてみた。
 
【例】質量mの物体A、Bが宇宙空間にある。地球から見てAは速度2vで左から右に等速直線運動をしている。Bも同じ直線上を速度vで同じ方向へ移動している。Aより右方にBがあるとAがBに衝突するのは自明だが、このときエネルギーの移動はどのように記述できるか?
1)物体Aから見た場合
Aは速度vで静止しているBに接近することになる。
衝突後のA、Bの速度をそれぞれva、vbとすると運動量保存の法則から、
mv=mva+mvb ∴v= va+vb・・・・・・・①
エネルギー保存の法則から
0.5mv2=0.5mva2+0.5mvb2    
∴v2= va2+vb2・・・・・②
①、②よりvavb=0 よって解は(va=0、vb=v)または(va=v、vb=0)
要するにAが止まってBが同方向に速度vで動き出すか、Bは止まったままでAがそのままの速度を保って動き続けるかということで、現実的なのは前者であろう。その場合の運動エネルギーの移動を見てみると、0.5mv2の運動エネルギーがAからBに移ったことになる。
2)今度は同じ現象を地球から見た場合、上と同様に
2mv+mv= mva+mvb  ∴3v= va+vb・・・・・・③
0.5m(2v)2+0.5mv2=0.5mva2+0.5mvb2  ∴5v2= va2+vb2・・・・・④
③、④を解いて(va=v、vb=2v)または(va=2v、vb=v)
これも前者が解としては適である。この時の見かけのエネルギーの移動は
0.5m(2v)2-0.5mv2=1.5mv2
したがってAからBに1.5mv2のエネルギーが移動したように見えることになる。もちろん同じ現象で移動したエネルギーが違うというのはあり得ないのでどちらかが間違いである。
 
ながながと書いて何が言いたいかというと、同じ現象でも観測系によって移動するエネルギーが違って見えるということである。2)の場合、物体Bが静止しそれにAが速度vで近づいている(AとBが相対速度vで近づきつつある)系に対して地球上の観測者が速度vで逆方向に動いていると考えればいいのではないか?この場合物体Aを基準に見た1)の場合よりA、Bそれぞれに対して観測者自身の運動から0.5mv2ずつの運動エネルギーの上乗せがあり、それで移動したエネルギーがもともとの0.5mv2より多くなっているように見える。つまり(0.5+0.5+0.5)mv2になっていると考えられる。これを一般化し観測者が速度nvで移動しているとき見かけのエネルギー移動は0.5mv2(2n+1)となる。(計算省略)
しかしこれらはあくまでも見かけのエネルギー移動であり、実際はAとBの相対速度だけを問題にすべきである。つまり観測値をそのまま使用したのでは真の値にはならず、物体間の相対的な速度から運動エネルギーを求めなければならないということである。理由はうまく説明できないのだが、この衝突による運動エネルギーの移動を放射に置き換えれば地球の熱収支図においても同様のことが言えるのではないか?地表面に固定した系で見れば地表面から大気へ向かって26 W/m2の放射が行われているだけなのだが、熱の移動の対象物体外で観測するとそれぞれに上乗せされた放射が観測されるのではないか?そこで運動エネルギーと同様に二つの物体の放射を相殺した「相対放射」を考慮することが熱エネルギーの移動を計算するうえで必要なのではなかろうか?
この運動エネルギーと放射の二つの現象の共通点を思いつくままに列挙してみる。
ⅰ)どちらもエネルギーの移動を表す現象であり数学的にはベクトル量として記述できる。(自信はないけど・・・・)
ⅱ)当該物体から見た場合自分のことはわからない。つまり1)の場合Aは自分が速度vで動いているのか、Bが-vで近づいてきているのかA自身には確かめようがない。つまり自分の持っている運動エネルギーを確かめることができない。これと同じことが放射にも言える。A自身が放射を行っているかどうかはA自身にはわからない。このような場合は他の系で測定した値ではなく物体間での相対評価が必要になるのではないか?

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科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている?

「ここは学会だからね。アンケートなんか気軽に取って、その結果が外部にもれて悪用されたら責任はだれが取るんだ!」
突然、フロアの後方から不快感に満ちた大きな声がした。さすがの丸山茂徳も一瞬たじろいだ様子だったが、すぐに
「それではこの場でのお遊びということで、よろしいですね?」
と会場にあらためて了解を求め、挙手による「お遊びアンケート」が始まった。
2008年5月25日の「地球惑星科学連合大会」のセッション「地球温暖化問題の真相」の口演終了後の自由討論会の冒頭(「裸の王様症候群の終焉」参照)、このセッションの世話役を努めてきた丸山が温暖化について会場でアンケートを取ろうとした時のできごとである。明らかに声の主は苛立っていた。以前述べたように当日のこのセッションの演題は二酸化炭素による温暖化を支持するものはなく、太陽活動や宇宙線によって地球の気候が変化するといったものがほとんどであった。いつも数の力でマイノリティを弾圧してきた温暖化論者にとっては初めて経験する屈辱的「少数派」で、ストレスが溜まる一日であったはずだ。そんな温暖化論者の不満が爆発したのが文頭の発言である。こんな不利な状況でアンケートを取られて「学会では二酸化炭素温暖化説は少数派。」などと宣伝されてはたまらないと思ったようである。しかしそれはIPCCをはじめとする温暖化派こそが、いつも使っている手口なのだ。「温暖化に反対する論文はひとつもない。」だとか「もう科学の役割は終わった。」だとかまるでこの問題は科学的な決着がすでについているかのように一般人に錯覚させて反論を封じ込めてきたのは彼ら自身なのである。
それでも丸山の機転によりアンケートがなんとか始まった。設問は2つ。まず「現在の温暖化が二酸化炭素によるかどうか。Yesと思う人。」と丸山が問うとポツポツと1割程度の挙手。次の「違うと思う人。」に今度はパラパラと前より多い人数が挙手、私が後方を振り返って見たところYesよりも多く2割程度だった。もちろん私はここで挙手。「じゃあ、わからないと思う人。」ここでほとんど残りのすべての人が挙手、つまり7割程度が現在の温暖化の原因は不明と答えたのだった。
次に「では、21世紀が温暖化の時代だと思う人。」と丸山。前回同様、挙手はポツポツと1割ほど。「寒冷化すると思う人。」はやはり2割程度。私はここで挙手、理由は昨年の11月から注1)PDO指数が陰転化しこのままcool phaseに入りそうなことと、太陽黒点の次サイクルの黒点の出現が少なく次はあまり活発化しそうにないことの2つである。最後に「ではわからないと思う人。」にやはり残りの大多数が挙手した。結局「未来のことはわからない」という慎重派が大多数だったわけである。
アンケートが終了すると、前から2列目に座り盛んに後ろを向いて挙手の動向を見極めていた件のモデラー氏が発言した。
「あのぅ、皆さんは気象の専門の方なんですか?僕は気象が専門でモデルの研究をしています。」
つまり、「気象の専門家でない人間に訊いても意味がない。」あるいは「お前達は専門家でないので何もわかっていない。」と言うことである。まあモデラー氏にしてみれば「二酸化炭素が地球温暖化の原因である」という大前提に立って100年後-自分は死んでいて責任さえ取る必要のない時代の気候予測を生業としているわけである。ここでその前提条件を否定されては身も蓋もない、ということであろう。
「気象の専門の方、手を挙げていただけますか?」
自ら右手を上げながらモデラー氏が遠慮がちに、後方を振り返って呼びかける。これを受けて丸山が続ける。
「それじゃ、この中に気象が専門の方はどれくらいいますか?」パラパラと手があがったようだが、それほど多くはなく1~2割といったところだ。私は少しとまどったが結局手を挙げなかった。すぐ後ろに座っていた気象予報士会の友人を振り返るとしっかりと手を挙げていた。彼は気象だけでなく古気候への造詣も深く、なんの迷いもなかったようだ。そもそもモデラー氏は「気象」と「気候」の区別さえついていないようだ。本来ならば「気候の専門家はいるのか?」と問うべきであろう。「気象」なら昼間はいつも同じ太陽が出ているでいいのだが、「気候」を扱うのなら太陽はいつも同じではないのだ。ここら辺りがモデラーのモデラーたるゆえんであろう。
  丸山に迷惑がかかるといけないのでこのエピソードについて書くのは控えていたのだが、丸山自身がその著作『科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている』の「はじめに」の部分でこの時の模様について記述している。それなら「解禁」ということにしたのだが、実際は「9割の科学者」の中に私のような「非科学者」がカウントされていることになる。(笑)少し割り引いた方が無難かもしれない。もっとも、1割の方にも混在していた可能性もあるので、それなら比率はあまりかわらないことになる。
丸山はこの中で「(科学者共同体は)巨額の国民の税金の上に成り立った公的役割を担い、研究の最前線を社会に伝える責任を負っている。」と述べ国民に情報を伝えるのは科学者および学会組織の義務であるとして暗にこの時の質問者を批判している。私も同感である。温暖化の研究や温暖化対策をしている人間が私財を投げ打ってやっているのなら私は何も言わない。ご自由にどうぞである。しかし彼らは私の税金を使って私がムダだと主張していることを行っているのである。疑問に答える責務があるはずだ。
以前はほとんど見られなかったウェブでの温暖化論への反論・疑問も最近は増加の一途をたどっている。これは今年になって相次いで発売された反温暖化本や「The Great Global Warming Swindle」の日本語字幕版のインターネット上へのアップによるところが大きい。赤祖父俊一は「今まで反論を述べる機会がなかったのは世界中で日本だけ。今こそ温暖化論へ集中砲火が必要」と明言している。冒頭のような温暖化論者のあせりの声がこれからはあちこちから聞こえてくるだろう。
 
参考書籍
丸山茂徳:科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている;宝島社 2008

注1)インデックスの陰転化は昨年9月からの間違いです。こんな単純ミスは昔はしなかったものですが、我ながら首をひねるばかりです。ボケがひどくなっているようです。それから、warm phaseの反対はcoldではなくcool phaseでした。お詫びして訂正します。(2008年8月14日)

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すべての物質はその絶対温度に応じた電磁波を放射している

「すべての物質はその絶対温度に応じた電磁波を放射している」
どうもこの文章の解釈が温暖化論者と私で違うようだ。
 まず、私自身は10年ほど前に放送大学で天体と宇宙について学んだことがある。その時、恒星の光のスペクトルからどのような物質が存在するかわかる。つまり特定の波長が特定の物質に対比していると教えられた。そして温度が高いときは輝線として温度が低いときは吸収線として見えるということであった、と思う。今となってはうろ覚えだが・・・。()とりあえずここを見れば大きくは間違っていないように思うのだが・・・・。
 それゆえ私自身の大気の放射の考え方も基本的には線スペクトルであり、キルヒホッフの法則から(吸収する波長)=(放射する波長)であると考えている。したがって赤外線を吸収しない酸素や窒素は赤外線を放射しない。「赤外線を吸収する物質は励起状態が十分長時間続けば同じ波長を再放射するが、その他の波長を放射することはない!また対流圏では短時間で分子衝突が起こるため励起状態からの再放射の確率は極めて小さい」というのが私の理解である。しかし残念ながら自信はない。最近冒頭の文章を根拠として温暖化論者からあちこちで私の考えと異なる意見が提出されている。もとより私自身も結論を出せるほど知識があるわけではなく、論点のひとつとしてここに一部を紹介する。

Case1 
静男
 ここの質疑応答欄(質問者は恥ずかしながら筆者)を読んでいただければよくわかるのだが、角皆は気体(窒素や酸素も)赤外放射をしていると考えているようである。たとえば中ほどの
その高度の空気分子もある温度を持っており、連続スペクトルの赤外線を発しています。
あるいは最後の行
物質はすべてその温度に応じてすべて電磁波を放出しています。
などは典型的だ。空気を構成する分子もすべて黒体放射をしていると考えているように受け取れる。ここが私の考えと根本的に違うところである。
また温室効果ガスが増加すると熱が上がってこないので成層圏が寒冷化するという角皆の説明も正確ではないと思う。私は「気圧の低下から衝突のチャンスが少なくなるので宇宙への放射が大きくなるため」と考えている。
念のために一言つけ加えておくが、角皆の放射に関するもしかすると誤解と専門の海洋に関する研究とは無関係である。私は角皆のケイ素仮説は有明海のノリの不作からエチゼンクラゲの大発生、果てはサンゴを食い荒らすオニヒトデの大量発生まで説明できる可能性を秘めた優れものである考えている。
 
Case2 SGW
ここでSGW2008/01/03 10:14のコメントの冒頭に
赤外分光「放射」スペクトルというのは別途測定されることはありませんが吸収スペクトルと同一のグラフですね。
と述べている。これは私の考えと同じである。ところが2008/01/06 15:58の投稿では
再放射はなくても通常の熱ふく射は地表向きのものが半分あるので、Back Radiationという表現でおかしくない
と再放射とは別に「通常ふく射」というものが存在すると述べている。さらに2008/01/10 19:48のコメントで
再放射というのは統計的にはほとんどなく、熱平衡状態のガスとしての放射が出るだけ、というのに同意しますが。(中略)再放射(back radiation)はたんなる温室効果ガスの「放射の下方向成分」と読み代えるのがよろしいかと。んで、ガスによる放射の等方性という性質だけから、温室効果による地表面の昇温が成立します。
と追い討ちをかけている。再放射がほとんどないことに同意しながら別の放射、おそらく絶対温度に応じた通常ふく射(おそらくは黒体放射か?)をしていると考えての主張であろう。ここが決定的に私の理解と違う。どちらが正しいかは私にもわからないが。
 
Case3 ESD 
2008/5/19  19:51のコメントでは
赤外不活性というのは要するに「赤外線を吸収しない」ということであって、放射しないということではありません。つまり窒素や酸素はいわゆる、赤外線を吸収するような温室効果ガスではないという意味で、その点では正しいですが、これらもまた温度を持つ物質なのですから赤外線を放出するのは当然のことです。
と述べ、「赤外不活性」の新定義を持ち出している。そして温度をもつ物質は赤外線(おそらく絶対温度に応じた黒体放射)を放射すると主張している。私の理解とは全く違う。私は吸収しないものは放射もしないと考えている。でも証拠はない。(笑) そのうえ
熱を持っていて赤外線を発しない物質は存在しないことになっていますので、もし窒素で再放射が起こらないことを確認されれば世界的な大発見になる
とまで言い切っている。私の理解はそれほど常識はずれたものなのだろうか?さらに、
無放射緩和過程については下に書いたとおりで、吸収したエネルギーが赤外線の再放射とならずに運動エネルギーすなわち温度となるという事ですが、温室効果ガスの吸収したエネルギーが熱として周囲の気体分子に拡散し、それによって熱を持った窒素や酸素など周囲の気体分子が、今度は赤外線を発したり他の分子に運動エネルギーを与えたりするわけです。
と述べている。これはCase1の角皆と同じ主張かつCase2の
SGWのいう「通常ふく射」を支持しているようだ。
 ところがESDは2008/5/23  1:19の投稿であっさり
気体の窒素や酸素があれほど標準的な黒体輻射と異なる挙動を示すということは存じませんでした。大変失礼致しました。
と自分の非を認めている。もしかすると自ら「世界的大発見」をしたのかもしれない。(笑)
 
 インターネットの世界であるからCase1、2、3が同一人物ではないという保証もないのであるが、このように温暖化を主張する人々の中には大気が地表面へむかって黒体に準じるようなかなりの量の放射を行っており、赤外活性分子が増加することによってさらに増加すると考えている人々が少なからずいるようだ。そしてその根拠がタイトルの「すべての物質はその絶対温度に応じた電磁波を放射している」であり、温暖化の原因となっている。ただ私とは信じるところが違いどちらが正しいのかは私にはわからないが、相容れない考えであることは間違いない。今回、論点のひとつが明確になっただけでも進歩と言えるかもしれない。
 
注:スペースの都合で部分的な引用になりました。皆様はリンク先をよく読んで全体像を把握していただくようお願いします。
 

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サンゴの白化現象と熱耐性の獲得

 これまでこのブログではサンゴの白化現象(bleaching)は地球温暖化とは無関係に以前よりしばしば起こっていたこと(過去200年のサンゴの白化現象とエルニーニョ)白化の後はより熱耐性の共生藻を選んで再生していること(地球温暖化とサンゴのsymbiont shuffling(共生シャッフル))などを示す論文を紹介してきた。

今回はMiddlebrookらがサンゴの熱耐性を調べるために興味深い実験を行っているので紹介する。ただし、この論文はインターネット上にはAbstractさえ存在しないのでCO2scienceからの引用となる。

 彼らはまず、グレートバリアリーフの南端にあたるヘロン島の近辺から共生藻としてSymbiodinium(cladeC3)を持つ造礁サンゴのAcopora asperaを採取し以下の4つの群にわけ実験的を行った。

 

A:Day-1431℃で48時間処理。その後は27℃で自然の日射にさらす。Day0から34℃で6日間bleaching処理。

B:Day-731℃で48時間処理。その後は27℃で自然の日射にさらす。Day0から34℃で6日間bleaching処理。

C:前処置なし。27℃で自然の日射にさらす。Day0から34℃で6日間bleaching処理。

D:前処置なし。27℃で自然の日射にさらす。bleaching処理なし。(コントロール)

 

つまり34℃、6日間の処置で白化を起こす前にあらかじめ31℃という軽度の高水温を経験させておくと被害がどうなるかということを調べるというアウトラインのようだ。彼らは実験期間中に光化学系Ⅱの効率やxanthophyllやクロロフィルaの濃度、Symbiodiniumの密度などを測定している。結果はbleaching処理後には前処置なしのC群は40%の共生藻の減少とそれ以上の光合成効率の低下を認めたのに対して、前処置を施したAB群は変化しなかった。このことからMiddlebrookらは以下のように述べている。

bleaching処理に先立つ12週間前の熱的なストレスが、サンゴの熱耐性を著明に増加させた。そしてそのことは短時間の熱適応がサンゴの白化現象に重大な効果を持っていることを示している。サンゴもSymbiodiniumもストレスに反応する蛋白をエンコードする広範囲な種々の遺伝子を所有していることが示されてきた。

最後にCO2science Idsoは以下のように述べている。

地球の造礁サンゴは気候警鐘家が言うようには地球温暖化で起こりうる未来像の亡霊の前ではほとんど手助けなど不要なのももっともだ。

 またまた「大変屋」のウソが暴露された。よく考えればこのようなくだらないウソにかかわって時間を浪費することほど愚かなことはない。ということは私が一番・・・・・。この問題は卒業してそろそろ本業に力を入れるとするかと思ったら、もうダービーも終わっていた・・・・・・。

参考サイト
CO2science

Acclimation to Thermal Stress in Reef-Building Corals

参考論文
Middlebrook, R.et al. The effect of thermal history on the susceptibility of reef-building corals to thermal stress. The Journal of Experimental Biology 211: 1050-1056(2008)

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高CO2による海洋酸性化と石灰殻生物

「このまま、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し続け、海水のpHが酸性に傾けば石灰の殻を作る生物が絶滅するおそれがある。」これまたよく聞く温暖化論者の脅し文句のひとつである。もともとそのような生物は現在よりはるかに二酸化炭素濃度が高かった時代から生存してきたという厳然たる事実があるためコンピューターの中で作り上げられただけの戯言に今さら反論する必要もないのであるが、Iglesias-Rodriguezらは実験と海底コアから得られたデータからこの温暖化教の教義に反証を突きつけている。

 Coccolithophoreは中生代の中頃から炭酸カルシウム殻を作るメジャーな植物プランクトンの1種となっている。現代では海洋で生産される全炭酸カルシウムの3分の1を占めるている。彼らはCoccolithophore1種である Emiliania huxleyiを現在の二酸化炭素濃度と750ppmvの高濃度(平衡状態で)とで培養実験を行っている。リンク先のabstractでは結果の詳しいことは不明だが、CO2scienceIdsoによればEmiliania huxleyi による一次生産は無機炭素および有機炭素ともに750ppmvの高二酸化炭素濃度の方が現在の二酸化炭素濃度の約2倍であったという。

さらに彼らはこの実験結果を確認するためにsubpolar地域の北大西洋から得られた過去220年分の海底コアの分析を行っている。この間に大気中の二酸化炭素濃度は約90ppmv増加しているが得られたコアのCoccolithmassは平均40%増加していたという。このことは彼らの実験結果が自然の中でも通用することを証明している。結局、Coccolithophoreは今までも大気中二酸化炭素濃度の上昇に適応してきたこと、そしてこれからも適応していくであろうということを彼らのコアのデータと実験結果は示している。

 このことを受けてCO2scienceIdsoは次のように述べている。

実世界の観測は温暖化論者の予測とは反対のものを描いているようだ。そして環境やエネルギー政策は後者ではなく前者に基づいて行われなければならない。

IARCの赤祖父俊一は1970年代の寒冷化が叫ばれた時に「もはや一刻の猶予もない」と「警鐘」を鳴らした者の中で今回の温暖化問題を宣伝している者を「大変屋」と呼んでいる。素晴らしいネーミング。さすがである。私はこの定義を拡大解釈し現在の二酸化炭素地球温暖化問題で何かにつけて「このままだと大変なことになる。」と危機感をあおっている環境団体や官公庁、個人、マスコミを同様に「大変屋」と呼ぶことを提案する。今までこのブログでは「大変屋」の主張はことごとくウソや間違いあるいは科学的な根拠がないことを明らかにしてきた(つもりである)。
 同じ「大変屋」でも「親分、てぇへんだぁ!」と平次親分のもとに駆け込んでくる八五郎は愛すべき存在だったが、今の「大変屋」は煮ても焼いても食えない本当にどうしようもない連中だ・・・。

とにかく、またひとつ「大変屋」の主張がつぶれたことは事実である。

参考論文

Iglesias-Rodriguez ,M.D.et al.Phytoplankton Calcification in a High-CO2 World. Science 320: 336-340(2008)
参考サイト
CO2science
Phytoplankton Calcification in a CO2-Accreting Ocean.

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