「地球温暖化でシベリアやアラスカの永久凍土が溶けて、ここから発生したメタンの温室効果でさらに温暖化が進む」よく耳にする温暖化論者や環境運動家の決まりフレーズである。果たしてこの問題はどこまで科学的な事実に基づいているのだろうか?
まあしかし、種々の観測結果によれば永久凍土が融解しているのは確かなようである。問題はその原因が「二酸化炭素の増加による地球温暖化」にあるのかどうかという点である。アラスカ大のRomanovskyによれば「現在まで、融解が進む一般的な原因は、自然的要因(森林火災や洪水)や人為的要因(農業活動や道路やビルの建設)による永久凍土上の地表面の擾乱である」とのことである。すなわち永久凍土の融解の主因は少なくとも地球温暖化などとは無関係であるということだ。
またAkasofuによれば現在のフェアバンクス周辺では小氷期に形成された「永久凍土」がまだ存在しこれが現在融解しているそうである。つまり気温が現在より低かった16~18世紀に新たに凍った場所が現在の気温の上昇によってそれ以前の状態に戻りつつあるということだ。当然これは自然な回復とAkasofuは捉えている。
それにしても「永久凍土」というからには数百万年続く現氷河期の間凍りっぱなしだったと思い込んでしまいがちだが、この数百年凍結しただけで「永久」凍土なんて・・・・。イメージ戦略にだまされないようにしなくっちゃ!そのためには「永久凍土」にもきちんとしたランクわけが必要である。B級凍土とかC級凍土とか・・・・・・・?
[2回]
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COMMENT
アラスカ大学
温暖化への永久凍土の応答を参照されたい
Re:アラスカ大学
>
>温暖化への永久凍土の応答を参照されたい
こんにちは、福田先生。このようなマイナーなブログまでおいでいただき恐縮です。雑誌および論文の紹介ありがとうございました。なかなか一般人には手に入りにくい雑誌と思いますが・・・・。なんとか英文abstractを見つけました。(笑)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007162677
雑誌のバックナンバーを注文しましたが、残部があるかどうか少々不安です。
貴重な情報ありがとうございました。