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気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!
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 温暖化論者は二酸化炭素を最大の温室効果ガスと定義するために最初に水蒸気を別格として除外。次に二酸化炭素の温室効果だけでは地表面の温度を上げることができないので、ここで水蒸気を引っ張り出して「二酸化炭素が増加すると水蒸気が増加しさらに温室効果が強くなって温暖化が進む」これがいわゆる「水蒸気フィードバック」と呼ばれるtrickである。すべての温暖化論者およびモデラーが支持し、モデルの根本となっている二酸化炭素温暖化説の中核となる基本原理だ。たとえばこの問題で莫大な研究費を分捕っていると考えられる国立環境センターの説明などその典型である。この説明をJack Barrettの論文と比較して二酸化炭素の温室効果をかなり大きく取り扱っている。まあそんな小手先のごまかしには目をつぶるとして、ここでも根拠のない(唯一の根拠はモデル)水蒸気フィードバックが最もらしく語られていることに注目しよう。
 
 Climategate事件以降、数々の不正やデータの間違いが白日のもとにさらされ窮地に陥っている温暖化信者に対してまたまたやっかいな問題が持ち上がった。2010年9月20日、フランス科学アカデミーから温暖化信者のセントラルドグマ、水蒸気フィードバックについて痛烈な批判が飛び出した。全文訳を下記に記載。終わりの方の「その間接的影響については未だ議論されている」という部分が水蒸気フィードバックのことを指している。結構柔らかい表現だが、これは今までさんざん脅威をあおってきた科学者のメンツを保つための婉曲表現で、Harusantafeによれば「未だ議論されている」というのは「要はデタラメである」ということだそうだ。(笑)
 
 ついに本丸に火がついた二酸化炭素温暖化説、このまま燃え尽きてしまうのか?そして今までこの理論を支えていた連中は何事もなかったかのようにまた他のテーマで研究生活をつづけるのだろうか?はたしてそんなことが許されるのだろうか。以下全文訳。
 
気候についての討論

科学院は去る2010年9月20日に気候に関する科学的な討論を催した。それは本年4月1日に科学と高等教育の大臣によって『気候変動についての科学的な知見の現状を規定し、公平な方法や視点を作る』為に開催されたものである。」

この会議は運営委員会によって準備された。この委員会は、学者(学術員、関係者、関係外部機関)によって作成された40箇条に基づき、気候の主題に卓越した人々が科学院に招集された。
9月20日の会議では、方針の異なる傍聴者を招いて、構成する様々な主観について理解できるようにした。このように、気候科学は前提にする様々な専門分野と関係する複雑で特殊な領域である。

会議は連続する4つのセッションによって構成されていた。各セッションは関係者によって主導され、現状のプレゼンテーションによって議論された。このプレゼンテーションは体系的に発表された後に全体の討論があって、科学的に、確実なことと、解決していないこと、先攻研究の対象が明らかにされた。

過去の気候のなかでは、日照時間の変化の影響は地球の確定的な軌道の上のことであった。しかし逆に、太陽活動のサイクルの影響については未だ議論されている。この20年間というもの、衛星や太陽と連携した大きな問題にまつわる信用出来る観察データ(donnees de observation)は、妥当性のある科学的解体のなかで気候変動に取り組ませてきた。未来の為のプロジェクトという視点から欠くことの出来ない、データを解釈する為のモデルが、この間急速に進歩した。人間の活動によって排出される温室効果ガス(gaz a effet de serre)に関しては、その直接の影響についてはコンセンサスがあるものの、その間接的影響については未だ議論されている。気候の変動を理解する為に同定されている手法のなかでは、雲の物理化学(la physicochemie de nouage)が能動的な研究の方向のように見え、強化されている。

文献や口頭発表の貢献で作成されたこの討論についての学術院のレポートは、10月末にこのページで公開される。
                             (Remiちゃんありやと)
参考文献など
 
国立環境研究所 地球環境研究センター;ココが知りたい地球温暖化「水蒸気の温室効果」
 
Barrett,J Greenhouse molecules, their spectra and function in the atmosphere.Energy & Environment. 16 p1037-1045(2005)
 
Débat scientifique sur le climat:Institut de France Academie des Sciences.(2010)

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   以前PETMに関しては適当な日本語の総説がないと述べたが実は長谷川の素晴らしい総説があった。これはCIE(12Cに富んだ炭素の急激な流入)を中心に述べたものであるが、よくまとまっていて、PETMの全体像をつかむには最適であろう。ここでは真のCIEの大きさについて詳しく論じられている。
 まず浮遊性有孔虫の個々の個体を用いた分析ではCIEの大きさは3.5~4.0%とされている。また植物バイオマーカーからは5.1%程度のCIEの規模が得られておりこれが真のCIEの大きさだとすると温度効果やpH効果を考慮しても浮遊性有孔虫では5.5%程度のCIEが記録されるはず。このかい離を説明するために以下のような説明がなされている。
 一つ目は温暖化および湿潤化によって植物バイオマーカーの同位体分別が大きく出てしまったとする。(つまり浮遊性有孔虫の方が真のCIEである)
 二つ目はPETM時の植生の変化によって植物バイオマーカーのCIEが大きくなったとするものである。現生の場合針葉樹より被子植物の方が13Cの割合が小さいのでPETMによる温暖化で針葉樹から被子植物への植生の変化が起こったため、見かけ上植物バイオマーカーのCIEが大きくなったと考えていうものである。
 最後に現生の針葉樹と被子植物の同位体分別の違いは低CO2環境に特有の現象であり、高CO2濃度であった古第三期には当てはまらないとして、植物バイオマーカーこそが真のCIEの値を示しているとしている。長鎖n-アルカンに4.5%(C29)から6%(C27)のCIEの記録がみられ浮遊性有孔虫のpH効果を加味した4.5%と一致するという報告がある。
以上この論争はこれからも活発に続いていくものと思われる。
 
しかし、残念ながらこの総説には個人的に気に入らない部分がある。
CO2による強い温室効果が生じたことがPETMの原因と考えられている。
思わず、何言ってんのと突っ込みたくなる。
これまで「PETM研究は地球の将来予測につながる」という文言は論文を飾るための胡散臭い美辞麗句に過ぎない感があったが
その通り!と賛成したとたんに
今後10年で「重量感を伴う真実味のある言葉」として受け入れられるようになるだろう。
だって。
 
さらに気に入らないのは2007年末のSluijs論文が引用されていないことである。長谷川論文の提出は2008年10月20日となっている。ならばSluijs論文には十分に間に合っており、この論文さえ引用していれば「CIEはPETMの結果」であることが明らかである。なぜ無視したのか著者に直接尋ねてみた。
私の総説は、Sluijs論文が出る前の有機地球化学会における講演を土台として書き上げたもので、その時点で議論に含めていなかったために落ちていると思います。意図的に引用しなかったわけではありません。
とのこと。まあ2008年の論文が引用されてはいるが、ここは著者を信じることにしよう。しかし、原因と結果は卵とニワトリの関係で、最初に火山噴火などで少量のCO2濃度上昇がありそれが温度上昇を招きメタンハイドレートの融解云々とも述べている。以前に述べたNisbetらと同様のこじつけ論である。どうしても「温室効果で温暖化」という先入観から抜け出せない研究者がここにもいるようだ。堆積物が明確に事実を語っているにもかかわらず・・・・である。
 
 

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  以前に拙ブログの「京のサクラと太陽活動の記録」で紹介した古文書からヤマザクラの満開日を推定して生物季節学的方法により京都の3月の平均気温を再構築した論文の続編が出た。前論文では801年から2005年までの期間のうち1401年から現在までは7割以上の年の気温が推定されており信頼度が高かったのに比べて、1400年以前のデータは50%以下であり、今回の続編では1400年以前の生物季節学的データを追加して、この期間の再構築された気温の信頼度を上げることに焦点があてられている。また著者らはヤマザクラの満開日だけでなくフジの満開日も調査し、これらが相関関係にあることを示したのちフジの満開日からヤマザクラの満開日を推定したのち3月の平均気温の再構築を行っている。得られたものが下図である。
 Aono2010.jpg
 
 
( 一番下のCがヤマザクラ+フジから得られた31年平均の結果:中央の横軸は現在平均の7.1℃のライン)




10世紀半ばの3月の平均気温は約7℃前後でピークは7.6℃。これは現在の平均気温7.1℃(都市化の影響を補正済みの値)より幾分高いようである。その後は寒冷化に向かい1180年から1310年にかけて再び温暖化し、14世紀初めに現在と同レベルの7.1℃になったのち以後は寒冷化傾向を示している。このパターンは日本のスギから得られたδ13Cに基づく他の研究ともおおむね一致している。これらの温暖化はヨーロッパの中世温暖期(MWP)に対応するものであろうと著者らは述べている。私見では、MWPの存在は一般に認められており認めていないのはIPCCと職業としてウィキペディアからMWPを削除しまくっている環境団体の人間だけである。(笑)

 今回の論文では太陽活動との関連について直接的な言及がなかったのは個人的には少し残念である。ただし、
10世紀が少なくとも現在並に暖かかったということが、サクラの開花記録からも明らかになりました」(Aono,Y;PrivateCommunication)
ということは大きな成果であろう。またこの時期は
10世紀といえば、名大のグループが気候の温暖化を屋久杉のδC13から明らかにした時代とも被りますし、最近では、元名大の宮原ひろ子さん(現・東大宇宙線研)が、太陽活動の周期が9年と短く活発であったことを明らかにした時代とも重なります。」(同)
ということでやはり、太陽活動とは密接な関係を感じさせる論文である。

また著者らは都市化の影響として1.5℃を現在の推定値から差し引いている。これは1920年以降の京都と彦根の観測値のかい離に基づいて算出した数値である。(つまり彦根は1920年以降都市化していないという前提のもとではじき出した)彦根自体私は訪れたことがなく本当にそれほど田舎なのかどうかわからないが、一応都市化の影響が少ない都市として我が国の平均気温の経年変化を求める際に使用されている。しかしここにも論文著者ならではの大変な苦労があるようだ。
最も頭を悩ませるのが現在の気温の基準を何処に置くか、つまり、都市温暖化の影響をどのように差っぴくかということです。」(同)
私の個人的な印象としてはいくら彦根が田舎とはいえ1920年来都市化の影響が見られないということは考えにくく、もっと数値は大きいのではないかと思っている。そうすれば明らかにMWPは現在より暖かかったことになり、IPCCをはじめとする温暖化論者の主張の論拠となっている「現在は人為起源のCO2によって過去に前例のない暖かい時代である。」が完全に崩壊することになる。

参考論文など
Aono,Y. & Saito,S. Clarifying springtime temperature reconstructions of the medieval period by gap-filling the cherry blossom phenological data series at Kyoto, Japan. Int J of Biometeorology54;p211-219(2010)
 
 
 
 
おわび)
論文自体は青野先生より5月末に送っていただいていました。ありがとうございました。blog主はこの4カ月ほど高血圧とそれに伴う頭痛により、「高気圧」も「高血圧」と読み間違えてしまうほどの体調の悪さでした。(笑)降圧剤5種類服用にて最近ようやく楽になり、$と株価の下げ止まりによってまた少し軽快傾向が出てきました。(笑)アップが遅れたことを陳謝します。

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    これまで拙ブログで太陽活動の変化と地球の気温の変動の密接な関係を示す論文を紹介してきた。これらのひとつの論拠として有名な図が下の図だ。
Lassen1991.jpg
 
 

(図Lassen1991)



 

   1991年、science誌に掲載されたFriis-Christensen & Lassenの論文から引用されたものである。およそ11年と言われる黒点周期の長さの変動と北半球の地上気温の変化が逆相関の関係にあることを示したグラフである。あちこちで引用されており大部分の方がどこかで見覚えがあろう。これは20年近く前のデータだが、その後はどうなったのか?実は1999年にThejll & Lassenによって追跡したレポートが出されている。それが次の図である。
1999lassendis.jpg

 
(図Lassen1999)
 



   図の上段をみると、以後は気温の上昇傾向があるにもかかわらず活動周期はむしろ延長傾向にありこれから予測される気温は低下傾向が示されている。下段は(観測温度-周期長からの予測値)である。二つの差は1980年代後半から大きく開いていることがわかる。太陽周期長と地表気温間の負の相関関係は認められなくなっている。この図も有名な図で数年前はこの図を根拠にして太陽活動と地表気温の関係を全否定するような温暖化論者のブログなどがあちこちに存在したように思うのだが、残念ながら今回は探しきれなかった。かろうじて見つけたのはこちらのブログである。このブログ主の結論は「1980年頃以降の地球温暖化を太陽活動だけで説明することは困難である。」というものである。この結論はこのグラフから導かれるものとしては妥当であろう。上記のレポートにも
 
We conclude that since around 1990 the type of Solar forcing that is described by the solar cycle length model no longer dominates the long-term variation of the Northern hemisphere land air temperature.」
我々は1990年頃から太陽活動周期長モデルの強制力は北半球陸上気温の長期変動をもはや支配していないと結論する。
とある。しかし、少なくとも1980年代前半以前の両者の関係は認めなくてはならないし、それを否定する根拠はどこにもない。また宮原ひろ子の放射性同位元素14Cを使った屋久杉での研究など古い時代でも太陽活動の周期長と地表気温の相関関係を明示している論文もある。
 
この論文のもとになるデータの学会発表時に私はその場にいたのだが、この時は「気温が高かった中世温暖期では9年周期であり、寒冷だった小氷期では周期はかなり延長していた。」というように理解していた。ところが論文のプレスリリースをみると、
中世温暖期と現代の太陽活動とを比べると、現代の気候はその影響で説明できる以上に温暖化しているようです。人為起源の温暖化ガスの影響によって、気温が自然のサイクルでは説明できないほどに上昇していることを示しています(図5)。この結果は、昨年発表されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次評価報告の内容を支持するものとなっています。」
と突然IPCCを支持する内容になっている。私は彼女の知的エレガントさのファンだっただけになんか裏切られた気分になった。後日気象予報士会の例会で宮原のデータを引用した際にたまたまその話をだすと宮原が気象予報士会東京支部の例会で講演した際(彼女はいやな顔一つせず引き受けてくれたらしい)懇親会で同席したという方がいて興味深い話をしてくれた。(ウラは取っていませんが、この方は私と違って(笑)信頼のおける人です)曰く
「論文にするときは上司との兼ね合いでIPCCを否定するような表現はしにくいのでああいう表現になりました。でも見る人がみればちゃんとわかるように書いています。」
とのこと。う~ん、そうだったのか。疑ってごめんなさい。(笑)ということで彼女の論文から抜粋すると
 
「The 9-year solar cycle through the EMMP might be suggesting that
the sun was more active than the recent centuries. The rapid global
warming of the 20th century appears to have exceeded the level that
can be explained by the increased solar activity. Reconstructions of
climate during the EMMP with high time resolution, high precision
and high spatial resolution are urgently needed to compare the states
of climate during EMMP and present and to deepen the knowledge
about the effect of anthropogenic and natural causes on the global
warming.
early Medieval Maximum Period(EMMP)早期中世温度極大期を通した9年サイクルは現在の世紀より太陽が活発だったことを示しているのかもしれない。20世紀の急速な地球温暖化は増加した太陽活動によって説明されうるレベルを超えていたように見える。EMMPの気候の状態と現在の気候を比べるためと地球温暖化に対する人為的要因と自然要因の効果について知識をより深めるために高時間分解能、高正確性、高空間分解能のEMMP期間の気候の再構築が緊急に必要とされる。
つまりよく調べたら中世の方が現在より気温が高いはずだ!ということだろうか?たぶんMannのホッケースティックにこだわるなということであろう。
 
    このように1000年以上前のEMMP、数世紀前のMaunder Minimumそして150年前から10数年前まで太陽活動周期長と地球の気温は良い相関関係を保ってきたのになぜ最近になって相関関係がくずれたのだろうか?これにはいろいろなことが推測できる。「近年になって二酸化炭素などの温室効果ガス濃度が増加したためこの影響が大きくなった。」というのもひとつの説明としては当然「あり」だろう。ここではもうひとつの可能性を示す。
 
lassen1999.jpg
(Table)

これからわかるように彼らは北半球陸上気温のデータセットとしてJonesのものを使用していたのだ。つまりCRUTEMの北半球版と考えてよいだろう。以前に述べたようにこのデータセットも当然NCDCによる観測ステーションの間引きの影響を受けているはずである。しかも陸上気温であるから海水温データを含む全球データと違って、都市化の影響が増幅されるはずだ。

GHCNstationnumber.jpg
(再掲ステーション数)
 






 1980年代半ばから気温が上昇を始め太陽活動周期長との乖離が大きくなっている。これはNCDCの観測ステーション数が謎の減少を始めた時期と一致している。偶然ではあるまい。さらに
 
satellite.jpg



(再掲サテライト)






この衛星データと地上気温との関係をみると衛星データの方が1980年代後半から観測値より0.3℃程度低くなっている。Jonesのデータセットの代わりに途中からこの衛星データを使えば、まさにピッタリ一致するグラフができあがるのではなかろうか?残念ながら私にはそんな統計処理の能力はないのでだれかtryしてくれないだろうか?そうtrickを使ってhide the dissociationである。(笑)
 
Climategate以降、気候科学の根幹となるデータが揺らいでいるためすべてのデータを根本的に見直す必要があるという一つの例である。今後もこういうケースが多数でてくるだろう。
 
参考論文&サイトなど
 
Friis-Christensen,E & Lassen,K. Length of the solar cycle:An indicator of solar activity closely associated with climate. Science 254 pp698-700(1991)
 
Thejll, P. & Lassen, K. Solar forcing of the Northern hemisphere land air temperature: New data. Danish Meteorological Institute Scientific Report 99-9(1999)
 
 
 
 
悪魔のささやき;人為的温暖化の正体

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   地質時代の境界において生物の大量絶滅がみられる、というより我々が化石記録から生物の入れ替わりを目印として地質時代を区切っているというほうが正しいか。一般に五大絶滅事変と呼ばれているイベントがある。古い順に古生代のオルドビス紀-シルル紀(O/S)境界、デボン紀後期のFrasnian-Famenian(F/F)境界、古生代と中生代の境界をなすペルム紀-三畳紀(P/T)境界、中生代の三畳紀-ジュラ紀(T/J)境界、そして中生代と新生代の境界である白亜紀-第三紀(K/T)境界である。このうちK/T境界については最近、隕石衝突による絶滅と結論付けられている。しかし他の4つのうちT/J境界を除く3つの絶滅の原因として考えられているのが海洋無酸素事変(Ocianic Anoxic Events;OAEs)である。
 
   石浜によるとOAEsは有機物に富む葉理が保存された黒色頁岩が全世界的に同時期の堆積をもって定義される。これは酸素不足によって有機炭素が分解されず、また堆積物中に生物がほとんど存在しないため生物擾乱が認められないためである。持続時間は短いもので数十万年から最も長期にわたったと考えられているP/T境界では1千万年とされている。OAEsの原因としては「もともと無酸素状態が存在したために大量の有機物が残った。」とするpreservation modelと「一次生産の増加により分解能力を超えた大量の有機物が供給され二次的に無酸素状態になった。」というproductivity modelがある。おそらく個々のOAEsでその原因は異なるであろうと思われる。またOAEsでは12Cに富む有機炭素が大気-海洋系から隔離されることになるので炭素同位体比δ13Cは正の方向に移動する。
 
 以前ETM2における北極海での変化について述べた。急速な温暖化の結果、降水量や河川から淡水流入が増加して水柱の成層化が起こり、これに一次生産の増加も加わり底層水の無酸素化が引き起こされて北極海で大量の有機炭素が埋没したことを述べた。CIEによって負移動していたδ13Cがゆっくりと回復する(正の移動)過程だ。これはtailと呼ばれている回復過程である。Sluijs らはPETM時には北極海だけで800GtCもの有機物が隔離されたと推定している。これはETM2だけではなくPETMやすべてのPETM-like温暖化イベントでも同様に起こったと推定される。すなわち何が言いたいかというと、PETM-likeイベントの回復過程というのはそこだけを切り離せばOAEsとも考えられるし、逆にOAEsとして理解されているものの中にもPETM-likeイベントの回復期を捉えているものがあるのではないかということである。OAEsの直前に急激なCIE(δ13Cの負移動)が見られること、そしてCIEに伴って(先立って)温度上昇を示す証拠(δ18Oの負移動など)が存在することがその条件となると考えられる。OAEsをよく見直せばPETM-likeイベントは珍しいことではなく、地球の歴史上ある一定の条件において繰り返し起こっているのではないかと私は考えている。
 
 従来より良く研究されているOAEsのひとつにジュラ紀前期のToarcian Oceanic Anoxic Event(以下TOAE)がある。これはおよそ1億9000万年前の中生代、ジュラ紀前期のToarcian期に起こったOAEである。1997年Jenkyns & ClaytonはこのTOAEに先立つδ13Cとδ18Oの負移動を認めTOAEの前に海水温のピークが存在したとしている。これはPETM-likeイベントを示唆している可能性が強い。2006年秋のAGUミーティングで CohenらはTOAEとPETMの類似性を指摘した。さらに2007年には「炭素同位体比の変動」「著明な生物学的絶滅」「顕著な温暖化」「水文学的循環の増強」「全世界的な海洋無酸素事変」の五つの共通項をあげてこれらは環境変化に続いて起こるメタンハイドレートの融解によって説明できるとする論文を発表し、熱い論争を巻き起こしている。もちろん私は彼らを支持する立場である。
 
43b86032.jpg 

 図はSvensmark Cosmoclimatologyから改変





この図はSvensmarkの有名な論文Cosmoclimatologyから拝借し私が改変したものである。彼の宇宙線が雲を介して地球の気候に影響を与えるという仮説によると、太陽系が約2.5億年かけて銀河系を1周する間に星の密な銀河の腕と星がまばらな腕と腕の間を通過するときは宇宙線の量の違い(腕の時、宇宙線↑)によって気候が変わるという。そしてひとつの腕に入ってから次の腕にはいるまでの期間はおよそ1億4300万年という。さらに長期間宇宙線量が少ない期間を経過した太陽系が次の銀河の腕に突入する直前が一番地球の気温が高くなるのではないかとSvensmarkは推論している。図を見るとPETMおよびTOAEは共にその時期に一致していることがわかる。(ただし海水温の変化とは一致せず)またデボン紀後期に起こった5大絶滅事件のひとつF/F境界を参考までに図示している。これもまた時期は上二つに一致しているようだ。もちろん偶然の一致も否定はできない。さらにこれらの特徴や間隔をまとめたものが次の表である。
 
 
推定開始時期
間隔
温暖化・δ13C負移動
F/F境界
約3億6700万年前
 
不明
TOAE
約1億9000万年前
1億7700万年
PETM
  約 5550万年前
1億3450万年
 
TOAEとPETMの間隔は約1億3450万年とSvensmarkの推定にほぼ一致している。またF/F境界のOAEがPETM-likeイベントと言えるのかどうかはデータ不足で不明だが、F/F境界とTOAEの間隔は1億7700万年とSvensmarkの推定値よりはやや長いようだ。何といっても推定値自体が荒っぽいので誤差の範囲と言えなくもない。今後のCohenらの議論のゆくえとF/F境界研究の進展に期待しよう。
 
このような壮大なスケールの地球の気候史に触れると、枝葉末節、重箱の隅をつつくような「温室効果ガス」にこだわった現在の二酸化炭素温暖化説などはゴミのように思えてくる。そうするとありもしない危機を煽って研究費をかすめとっているモデラーをはじめとする研究者はさしずめゴミにたかるハエといったところか。(笑)
 
参考論文など
石浜佐栄子 ジュラ紀前期の海洋無酸素事変の研究に関する進展と動向 Bull.Kanagawa Prefect.Mus.(Nat.Sci.) No.36 pp1-16(2007)
 
 
悪魔のささやき 暁新世始新世温度極大期;6.北極圏におけるETM2の特徴
 
 
 
 
 
 
Svensmark,H:Cosmoclimatology: a new theory emerges Astronomy & Geophysics 48 (1), 1.18–1.24.(2007)
 
Svensmark,H & Calder,N:The chilling stars(2007)
 

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自称、気象予報士。本人はそう主張しているが、だれも確認した者はいない。曰く「私が気象予報士であることは善人ならわかるはず。わからない者は悪人である。」(笑)
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