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悪魔のささやき

気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!

   
カテゴリー「地球温暖化」の記事一覧

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地球温暖化についてレポート2

 以下のレポートは知人が2年前に書いたものを今回私が加筆修正したものです。基本的に2010年9月末現在の情報に従っておりますが、一部それ以降の情報も含まれています。小中学生の方には前回のレポートより若干難しいと思いますので、どれか一つのテーマに絞って深く調べることをお勧めします。

はじめに
地球温暖化とは赤外線を吸収・放射する性質を持つ赤外活性ガス(温室効果ガス)が大気中に増加することによって地表面の温度が上昇するとされる現象である。Intergovermental Pannel of Climate Change (IPCC)によると、この100年余(1891~2007年)で全球平均気温の上昇は100年あたり0.67℃とされ[i]今後2100年までに最大6.4℃の上昇が予測されており地球環境への重大な影響が危惧されている[ii]。またIPCCによれば人間活動によって増加した温室効果ガスの中で化石燃料の使用による二酸化炭素(CO2)が地表面の温度上昇にもっとも大きく寄与しており、経済活動の活発化によって今後も排出増加が見込まれる。このためこれらの排出規制を行うことによって将来の気温上昇を抑制しようとする国際的なルールづくり、たとえば京都議定書(1997年)の努力が行われている。その根拠となるべき科学的事実を考察していく。
 
1.温暖化のメカニズム
 太陽光により暖まった地球から赤外線として熱エネルギーが出てゆくとき, 温室効果ガスによって赤外線がいったん吸収された後、半分が上方へそして残りの半分が地表面へ向かって再放射される。このため温室効果ガスがない場合に比べて温室効果ガスから余分のエネルギーを受け取るため地表面の温度が高くなると一般には説明されている[iii]
しかしこの説明は間違っている。対流圏中・下層においては温室効果ガスが赤外線を吸収してから再放射に要するまでの時間より他の気体分子(大部分は窒素、酸素などの赤外不活性分子)との衝突の方が早く起こるため「再放射」が起こる確率は極めて低い[iv]。実際の大気放射は分子間衝突による衝突励起の状態からの放射が大部分を占めておりこれを局所熱力学平衡と呼んでいる[v]。現在の「温室効果理論」はこのように科学的に誤った点から出発していることを忘れてはならない。
 さらにIPCCによると温室効果ガスは二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン類、六フッ化硫黄、パーフルオロカーボン類の6種類とされ、実際には最も多量に存在し赤外活性も広範囲の波長域におよぶ最大の温室効果ガスである水蒸気が意図的に除外されている[vi]。このためCO2が最重要な温室効果ガスということになっているが、実際には水蒸気の効果の方がCO2より数倍も大きい[vii]。このことはCO2が十分に存在する現在においても冬季の乾燥した夜間に放射冷却が起こることを考えれば納得がいくであろう。地球温暖化問題を議論する時にはこのようなカラクリもきちんとおさえておかなければならない。
 
2.温暖化懐疑論者が提出している疑問点と温暖化論者の反論
温暖化懐疑論の争点は次の点に分けられる。
1)   地球は本当に温暖化しているのか。これには以下の2つの議論がある。
①    気温測定点の評価について
最近の気温測定点は周囲の都市化に伴い気温測定環境の劣化が指摘されており、2010年夏39.9℃の気温を記録した京田辺市の測定点は測定器にツタがからみつき風通しの悪化が認められた。これは氷山の一角で日本のかなりの地点[viii]、米国の半分以上[ix](station.org)など気象観測点周囲の環境の劣化による誤差が大きいと考えられている。これらは観測点の劣化だけでなく都市化の影響も大きく受けている。
これに対して温暖化論者は世界の平均気温に対する都市化の影響はほとんどないと強弁している。[x]しかしこの唯一の論拠となっている論文も中国のデータの開示がないなど疑惑がもたれている。さらに1980年代後半以降世界平均気温に使用さている観測点は6000から1500に急激に減少しており脱落した観測点は田舎高地高緯度の地点であり、残存している観測点はほとんど都市化の影響をもろに受けるところである。[xi]これはNOAA(アメリカ海洋大気局)の下部組織NCDC(気候データセンター)による謎の観測点の間引きと呼ばれており、わが国以外では有名な事実である。特にロシアやカナダでの高緯度地域での観測点の減少が顕著である[xii]。NCDCをはじめとして、NASA(米国航空宇宙局)、日本の気象庁、イギリス気候研究所(CRU))などすべての世界気温データセットがこのデータを基にしており気候科学の根本的大問題となっている。
②    データの取り扱いについて
IPCC第三次報告で有名になった樹木の年輪から過去の気温を再構築したMannのホッケースティック曲線は、1000年間ゆっくりと低下していた気温が20世紀後半になって急激な上昇を示すものだが、これには従来から定説となっていた中世温暖期も小氷期も存在せず発表当初から疑問視されていた。クライメートゲート事件以降この論文のデータねつ造があきらかになっている。[xiii]20世紀末の温暖化も自然変動として異常なものではなく、1850年頃に終わった小氷期からの回復過程として全く矛盾しないものである。[xiv]これに対して温暖化論者はMannの誤りは引用の誤りであり結論はなんら変わらないと強弁しているようである。[xv]
2)   温暖化の原因が温室効果ガスの増加によるものかどうかという点については次の二つの議論がある。
①     太陽活動など他の要因はないのか。
20世紀の太陽活動周期長と北半球気温の相関[xvi]や14Cを用いた屋久杉の研究から約11年の太陽周期長と気温が逆相関の関係にあることが示唆されている[xvii]。これは太陽磁場を介した宇宙線と雲に関するSvensmark効果を介して説明される。[xviii]また太陽磁気活動が北極振動を通じて地球気候に大きな影響を与えているという報告もある[xix]
これに対して温暖化論者は20世紀後半においては太陽活動の活発化は見られず、20世紀後半の急激な温暖化は太陽活動では説明できない。温室効果ガスの影響を考慮しないと説明できないと主張している。またSvensmark効果に関してはa)理論的な証明が不十分である。b)宇宙線量に関して(雲の形成による温度上昇を説明するのに必要な)長期的傾向が見られない。などの反論がある。しかし、上述したようにすべての世界気温データセットにおいて1980年代以降都市化の影響を受けやすくなっており、それによって太陽活動とのかい離が出てきた可能性が濃厚である。宇宙線と雲に関しては現在CERNによる実験が進行中であり、この結果待ちである。
3)   増加したCO2は本当に人為起源なのか。
CO2は大気中の60倍も海水中に溶存している。また人間活動によって排出されているCO2の何十倍もの量が生物圏、海洋と大気の間を行き来しており[xx]、化石燃料由来のCO2は自然起源の5%程度である。自然の炭素循環がすべてバランスが取れているという観測結果はどこにもない。「自然の炭素循環は常につり合いがとれている」というのは何の科学的根拠もない温暖化論者の妄想に過ぎない。したがって自然界におけるトータルの炭素循環を考えると大気中に増加している二酸化炭素のうち人為起源のものは多くても5%程度と考えるのが妥当であろう[xxi]。しかし温暖化論者は自然界の炭素循環は常にバランスが取れている仮定した図を根拠として大気中に増加したすべてのCO2を人為起源としている。また完新世以来、一定だったCO2が産業革命後から増加したとする氷床コアから再現したグラフを唯一のよりどころとしているが、氷床コアの粗い分析をKeelingの精密な測定に滑らかになるように80年ほどずらしてつなげたものであり批判が多い。[xxii]実際に化学的方法による大気中CO2濃度測定が19世紀より行われており、この値と氷床コアの再現値との矛盾が指摘されている。[xxiii]
また南極ボストーク基地の氷床コアの分析によると過去16万年の気温と二酸化炭素濃度の変化は気温の変化が先に起こっており800年ほど遅れてCO2濃度が追随している[xxiv]。これはヘンリーの法則によって海水温が上昇し海洋から大気へのCO2の移動が起こった結果として何ら矛盾しない。そして氷期・間氷期の大きな温度変化は太陽と地球の位置関係、地軸の傾きや公転軌道の離心率の変化あるいは歳差運動などの(ミランコビッチサイクル)で起きていると考えられている。[xxv]
4) 温暖化したときの被害予測は本当に正しいのか。
これには次の二つの議論がある。
①    100年後のシミュレーションは信頼できるのか。
コンピューターシミュレーションによる21世紀末の気温予測は正しいとする考えはコンピューターモデルで過去の気温変化を再現できるという論拠によっている。しかしこれは答え(過去の気温観測記録)に一致するようにパラメーターをいじった結果であり、過去が再現できるからそのモデルの予測が信頼できるという根拠にはならない。1980年代の今から見れば幼稚なコンピューターの時代から現在の最新鋭のスーパーコンピューターまで過去の気候変化を再現できるコンピューターモデルは数多く存在するが、2100年の予測がみな同じわけではない。これはそれぞれが違った数式やパラメーターによって過去の気候を再現しているに過ぎないことを示している。モデルの一番の欠陥はグリッドが大きすぎて「雲」がきちんと表現できないことである。最重要のこの部分を「パラメーター」に頼っていては信用せよという方が無理というものであろう。さらに気候システムのような非線形現象はコンピューターシミュレーションには不向きで、他の研究者による再現も不可能で到底「科学」とは呼べないものである。[xxvi]
②     温暖化の悪い側面のみが強調されていないか。
気温が○℃上昇するとマラリアや伝染病が各地で流行し熱波で毎年何万人もの人々が死亡する。ハリケーンが巨大化し大きな被害が出る。などなどまさにホラー話の洪水である。しかし気温上昇の予測自体が不確かな話であるので以後のストーリーも全く根拠がないものである。このような作り話で環境省が国民を脅しているのだからあきれてしまう。[xxvii]たとえばわが国ではマラリアは媒介動物の撲滅によって根絶できたのであって気温が低下したため流行がおさまったわけではない。気温が上がったからといって再度流行地になるというのは全く根拠がない。温暖化傾向の20世紀中でもむしろマラリア流行地は縮小している。[xxviii]
乾燥化するところがあっても現在水不足のところで降水量が増加するかもしれないし、現在冷涼地で耕作に適さない土地でも耕作ができるようになることもある。熱波で亡くなる人が増加してもインフルエンザで亡くなる人の減少の方が多いかもしれない。温暖化論者の予想は意図的に悪影響だけを取り上げて誇張しているに過ぎない。
3.地球温暖化の影響
 地球温暖化の影響として大きく分けて二つになる。
1)気象現象および生態系への影響
2)社会への影響
その詳細は以下の事柄が懸念されている。
①a.降水量の増加
b.熱帯雨林の乾燥化や崩壊
c.海水面の上昇
d.生物の生息地の変化
e.生物種の数割にわたって絶滅の危機
f.海流の変化
②a.気候の変化による健康への影響や生活の変化
b.低緯度の感染症の拡大
c.農業、漁業などを通じた食糧事情の変化。
これらすべてに反論することは字数の関係で不可能だが、たとえば1cの海水面上昇についてツバルなどが沈むと一般に報道されているがこれも根拠がないヨタ話である[xxix][xxx]。また2bのマラリアについては上で述べた。
原則としてこれらはすべて二酸化炭素温暖化説が正しいと仮定しての話であり、今まで述べてきたことから全くの杞憂と言える。歴史的にも7000年前から5000年前にかけてのヒプシサーマル期と呼ばれる完新世最温暖期や前述の中世温暖期など温暖期にこそ人類は繁栄してきたという事実がある。万が一、温暖化説が正しいとしても人類活動に対して言われているほどの悪影響があるというのは根拠がない。
4.まとめ
 人為起源の二酸化炭素で地球が温暖化しているという科学的根拠はない。にもかかわらず、この問題がここまで大きくなったのはなぜだろう。まず、国連によるIPCCの設立によって「情報の権威付け」ができた。「IPCCがこう言っている」これが温暖化論者の決め台詞となった。しかしクライメートゲート事件以後査読論文しか引用しないはずのIPCC報告書にGreenpeaceやWWF(世界自然保護基金)の報告書が多数引用されていることが暴露された。[xxxi]さらにその後IPCC報告書の著者の中にこれら環境団体の活動家が多数含まれていることもわかった。[xxxii]WWFはそのHPで「地球温暖化の目撃者たち」[xxxiii]というプロジェクトを行い、「すべてにIPCCの科学者による科学的影響の背景説明がついているのが特徴」と自慢げに宣伝しているが、我田引水もはなはだしい。IPCCという権威による体のいい情報ロンダリングである。そして狂信的温暖化支持者は自分たちの主張と違う意見を発する科学者に対して、「石油業界のまわし者」「ホロコースト否定論者」などという反論の本質とはまったく関係のない罵声を浴びせた。それでまともな科学者は沈黙するにいたった。
また好ましくない出来事はすべて地球温暖化の影響として報道するメディアにも大きな責任がある。上に述べたように「ツバルが沈む」や「キリマンジャロの氷冠の縮小」、「ホッキョクグマの受難」などはほとんどはウソかあるいは事実であっても温暖化とは無関係の出来事である。
問題が巨大化するにつれて研究者にも温暖化関連の研究で莫大な予算が取れる(そうしなければ研究費が取れない)など人為的温暖化に反する結論の論文が出しにくい状況になっていった。またクライメートゲート事件で明らかになったように査読の段階において温暖化支持派が徒党を組み反対論文が世に出ないように細工する[xxxiv]など行動が非倫理的方向にエスカレートしていった。
さらに少なくとも日本国内では省庁がこの問題を利用して省益を拡大しようとこの風潮を助長している。1997年の「京都議定書」当時一介の「庁」に過ぎなかった環境庁が多くの省庁が合併して行政のスリム化が図られるなかで例外的に「省」に格上げされた。これには温暖化問題が大きく影響していると考えられる。さらに同省は排出権取引・炭素地下固定事業・炭素税の導入などをもくろみ天下り法人の設立や自分たちが独占して使用できる特別会計制度創設を狙っているように思える。
以上官・学・メディアの連携によって温暖化問題はここまで大きくなったといえるであろう。このように皆が皆同じ方向を向いているときには何かがあるというのは先の大戦を振り返ればわかる。我が国はこのことから学ぶべきことが多いと言える。国際的には排出権取引価格の暴落、IPCCへの解散要求が起こっている中我が国は全くの情報過疎となっている。このままでは世界から取り残されるであろう。国が滅んでも自分の研究費さえ取れればいいという研究者がいまだにいるのは日本国民として誠に残念である。
 


[vii] Barret,J. Greenhouse molecules,their spectra and function in the atmosphere.Energy & Environment 16:p1037-1045(2005)
[viii] 近藤純正ホームページ;基準34地点による日本の温暖化量
[xii] what the Russian paper say?; Russia affected by climategate.
[xiv] 赤祖父俊一;正しくしる地球温暖化、誠文堂新光社(2008)
[xviii] Svensmark,H:Cosmoclimatology: a new theory emerges Astronomy & Geophysics 48 (1), 1.18–1.24.(2007)
[xix] 伊藤公紀;太陽磁気活動の気候影響(3):北極振動とaaインデックスの相関に基づいて:Japan Geoscience Union Meeting 2010
[xx] IPCC第4次報告(2007)
[xxii] Jaworowski,Z. CO2: The Greatest Scientific Scandal of Our Time. ESL March 16 p40-53(2007)
[xxiii] Beck, E.-G. 180 Years of CO2 gas analysis by chemical methods. Energy & Environment 18 p 259-281(2007)
[xxvii] 環境省パンフレット「STOP THE 温暖化2008」
[xxviii] Gething,P.W. et al.Climate change and the global malaria recession. Nature 465;p342-345(2010)
[xxix] Aung,T.et al. Sea Level Threat in Tuvalu. Am.J. of Applied Sciences 6 : p1169-1174 (2009)
[xxxiv] 渡辺正 地球温暖化スキャンダル 評論社(2010)

拍手[20回]

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「地球温暖化神話」の創り方

 2012年3月23日の朝、朝食を取りながらラジオを聞いていると「地球温暖化によって九州、沖縄の気温が100年で○○℃上昇し、桜の開花は△日早まっているという気象台の発表があった」(私の大雑把な記憶ですのでこんな感じの文章でしたが、一言一句正確に描写している訳ではありません)というローカルニュースが流れた。驚いた私は報道の元となった気象台のレポートを検索。そして再び驚愕。
 
「九州・山口県・沖縄の気候変動監視レポート 2012」の公表について 
 
気象台の発表よりNHKの報道に問題があるのではないかと考え、まず地元のNHK放送局に下記の文面で質問状を送った。
 
『3月23日午前7時ごろのラジオ第一放送のニュースで「九州・山口県・沖縄の気候変動監視レポート 2012」を取り上げる際に、「地球温暖化によりうんぬん(観測結果をつなげる)」という断定的な表現がありましたが、気象台のレポートを見るとそのような断定的な表現はしていません。
http://www.jma-net.go.jp/fukuoka/gyomu/osirase/houdou20120322.pdf
「長期的な気温上昇には、地球温暖化や都市化のほか、自然変動が影響していると考えられる。」となっています。なぜ事実を曲げてまで断定的な表現をしたのでしょうか?これに限らず地球温暖化に関するNHKの歪曲報道は目に余るものがありますが、なにか意図的なものがあるのでしょうか。お答え願います。』

地元の放送局からは1週間後にようやく返事が来た。それも早い話が「福岡放送局に訊け」ということであった。仕方なく同様の質問を福岡放送局当てのメールフォームに書き込んで再送した。
福岡放送局は迅速な対応だったが、調査不足のため数度のやりとりがあり、何度もメールフォームに住所氏名等を書き込むのは面倒極まりなく最後は強い口調で調査を依頼したところ最終的に次のような回答を得た。
 
『何度もメールいただきすみません。
6:25からのローカルニュースでこの話題を取り上げていました。
ニュースの表現は、「地球温暖化にともなって、九州と山口の年間の平均気温は、(中略)上昇していることが、気象台の調査でわかりました」としています。
「地球温暖化にともなって」としたのは、気象台の説明の中で、それが最も大きな原因とされたためです。とは言え、気象台がそれ以外の原因も考えられるとしている中では、舌足らずな表現だったかも知れません。本来は、「地球温暖化や都市化などにともなって」、などと、ほかの原因もあることを明記する方が、よりわかりやすかったと思われます。このニュースは、長期的に九州・山口・沖縄の気温が上昇していることを伝えたかったもので、事実を歪曲する意図はありません。』
 
要するに気象台に取材した際に「地球温暖化が最も大きな要因という説明だった」ということである。原本のレポートにはそんなことはどこにも書いていないので事実を確認するためにこんどは福岡気象台に下記の質問を送った。なお気象台のレポートでは気温上昇の要因のひとつとして「自然変動」を挙げており、ここで言う「地球温暖化」とは二酸化炭素排出による人為的温暖化を指していることは明白である。
 
『お忙しいところ申し訳ありません。3月22日発表の上記資料について質問します。
私の聞いた3月23日NHKラジオ第一放送の7時前後の放送では「地球温暖化のために観測されたいろいろな現象(桜の開花の早まりや、気温の上昇など)が起こっている」と放送されていました。非常に驚いて、次のような質問をNHKにしました。経過は省略しますが、3月30日にNHK福岡放送局から最終的に下記のお返事をいただきました。
略(NHK福岡放送局の回答文をそのまま転記)
『「地球温暖化にともなって」としたのは、気象台の説明の中で、それが最も大きな原因とされたためです。』とありますが、これは事実でしょうか?またもし事実なら自然変動や都市化の影響が認められるなかどのような手法でそれらの影響を定量的に取り除き、地球温暖化の影響が最も大きいとされたのでしょうか?ご回答よろしくお願いします。
略(氏名、住所、メールアドレス)』
 
気象台からは以下の回答がすぐに返ってきた。
 
『略
当件につきまして、以下のとおり回答させていただきます。
九州・山口県の平均気温の上昇には、地球温暖化や都市化のほか、自然変動が影響していると考えられ、22日の発表でもそのように説明させていただきました。
「自然変動や都市化の影響が認められるなかどのような手法でそれらの影響を取り除き、地球温暖化の影響が最も大きいとしたのか」というご質問ですが、
今回のレポートでは、九州・山口県の平均値は、福岡など都市化の影響が大きいと考えられる地点のデータも含めて単純に平均を計算しただけですので、
要因ごとにどれだけの寄与であるのかといったような定量的な評価までは行なってません。
地球温暖化は九州・山口県といった局地的な現象でなく、世界全体の温度上昇の話ですが、陸上気温ばかりでなく、地球表面の7割を占め熱容量の大きな海洋においても、
海面水温や海洋内部の貯熱量が長期的に増加しており、九州・山口県の気温上昇の重要な要因の一つであると考えられます。レポートでも九州・沖縄周辺の海域における
海面水温の上昇が世界全体の海面水温の上昇率よりも大きいことを指摘しています。
ただ、九州・山口県の気温には地球温暖化以外に都市化や自然変動など他の要因も影響していますので、今回のレポートの平均気温を解釈する際にはその点に留意していただく必要がありますが、22日の報道発表の際には舌足らずの説明だったかもしれません。ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
お詫びいたしますとともに、今後も気象台が発表する情報等をご利用いただきますようよろしくお願いいたします。』
 
どうも、すっきりしない。何を「ご迷惑をおかけした」とか「お詫びする」とか言うのだろうか?何度も読み返してやっと納得がいく理由を推定できた。気象台の回答者は「私が驚いた」理由を「こんなに地球温暖化が進んでいたのか!」と誤解したようだ。(笑)しかし「地球温暖化の影響が最も大きいと説明したのどうか」という質問の核心部分については当たり障りのない回答で答えになっていない。それで再び次のような質問を送った。今度は私の立場を明記して。
 
○○ 様
お忙しい中ご回答ありがとうございました。
『九州・山口県の平均気温の上昇には、地球温暖化や都市化のほか、自然変動が影響していると考えられ、22日の発表でもそのように説明させていただきました。』
■私の最初の質問の答えとしては取り上げた三つの中で「地球温暖化が最も大きな要因」という説明は会見でされたのでしょうか?それともNHK記者の誤解でしょうか?お答えからはよくわかりません。
 
『今回のレポートでは、九州・山口県の平均値は、福岡など都市化の影響が大きいと考えられる地点のデータも含めて単純に平均を計算しただけですので、要因ごとにどれだけの寄与であるのかといったような定量的な評価までは行なってません。』
■それならば「地球温暖化が最も大きな要因」などとは軽々に言えるはずはないと思いますが、いかがでしょうか?
 
『地球温暖化は九州・山口県といった局地的な現象でなく、世界全体の温度上昇の話ですが、陸上気温ばかりでなく、地球表面の7割を占め熱容量の大きな海洋においても、海面水温や海洋内部の貯熱量が長期的に増加しており、九州・山口県の気温上昇の重要な要因の一つであると考えられます。』
■人類出現以前から、また歴史的にも気候は自然に変動してきたことが確かめられています。ご指摘の現在の変動が、自然変動だけでは説明できず地球温暖化が重要な要因であることはどのようにして確認されたのでしょうか?ごく弱い赤外活性しか持たずしかも大部分は水蒸気と重複しているCO2がたかだか10000分の3から4に増加しただけで観測可能な変化が起きると考えるのは妄想ではないですか?「影響はあるだろうからとりあえず原因の一つに入れておけ」といういわゆる地球温暖化を枕詞に使っているだけではありませんか?
 
『ただ、九州・山口県の気温には地球温暖化以外に都市化や自然変動など他の要因も影響していますので、今回のレポートの平均気温を解釈する際にはその点に留意していただく必要がありますが、22日の報道発表の際には舌足らずの説明だったかもしれません。』
■どこが舌足らずだったのでしょうか?冒頭にお答えされたように単に三つの要因を指摘しただけなら何の問題もないと思いますが、何ら根拠なく地球温暖化の影響を強調したのなら舌足らずではなく歪曲でしょう。
何度も申し訳ありませんが、一番知りたい情報が回答からは読み取れませんでしたのでもう一度ご回答をよろしくお願いします。
略(氏名、住所、メールアドレス)
 
これに対する気象台は以下の通り。
 
『略
地球温暖化に関してIPCC(2007)では、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの観測された増加によってもたらされた可能性が非常に高い」としていますので、今回のレポートで報告した平均気温の上昇を考える上でも重要な要因の一つであるということで説明させていただきました。ただ、九州・山口県、特に大都市である福岡市などの気温上昇については、都市化の影響も大きな要因として作用していると考えられます。○○様がご指摘されていますように、重要な要因の一つとして挙げることと定量的に大きいこととは別の話ですので、きちんとご説明すべきところでしたが、この点が舌足らずであったかと反省しております。説明不足のため、○○様にはお手数をおかけすることとなり申し訳ありませんでした。重ねてお詫びいたします。』
 
案の定というか、やはり地球温暖化が現実に起こっているという根拠はモデル頼みのIPCC4次報告だった。(笑)おそらくウソがばれてすべてが明らかになった時にはすべての責任をIPCCにかぶせて逃げ切るつもりだろう。もちろんその頃にはIPCCは解散していてだれも責任は取らずに済むはずだ。
都市化、自然変動、地球温暖化の三つの要因を平等に挙げるのならまあ許容範囲だが、根拠なく「地球温暖化が一番大きな要因」というのは歪曲であるというのが私の主張である。重要な要因のひとつとして挙げたが最も大きな要因だとは明言してないような書き方である。しかしどうも政治家の答弁を聞いているようで納得がいかない。YesかNoかで答えれば済むところを廻りくどくごちゃごちゃと言い訳まがいのことを述べていることが気になったので以下の再々質問を送った。
 
『略
ご回答ありがとうございました。
『平均気温の上昇を考える上でも重要な要因の一つであるということで説明させていただきました。』
ということはNHKのいう
『(地球温暖化が)最も大きな原因』ということはおっしゃられてないわけですね。
私が知りたいのはその一点、すなわちだれが地球温暖化の影響を誇張したのかということです。この点について明確なご回答をお願いします。
それからご存じのことと思いますが、
『地球温暖化に関してIPCC(2007)では、「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは、人為起源の温室効果ガスの観測された増加によってもたらされた可能性が非常に高い』
についてですが、2009年11月のクライメートゲート事件以後「IPCCがこう言っている」、「IPCCによれば」などはジョークでしか使われておりません。
たびたびすみませんが、再度ご回答をよろしくお願いします。
略(氏名、住所、メールアドレス)』
 
そして最終的な返事が以下である。
 
『略
報道発表の場では報道発表資料に基づき「長期的な気温上昇には、地球温暖化や都市化のほか、自然変動が影響していると考えられる」と解説させていただきました。その後、「気温が上昇している最も大きな原因は何か?」という質問がありましたので、「気温が上昇しているのは、地球温暖化がベースとしてあるので、これが最も大きな要因である。ただし、今回のレポートの九州・山口県の平均気温は、都市化の影響の大きな地点のデータも含まれており、例えば、福岡の気温の上昇率が大きいのは、都市化の影響が現れていると考えられる。」と説明させていただきました。
日本の平均気温の長期変化傾向を見る場合には、都市化の影響の少ない地点を選択し平均をとることによって、1.15℃/100年という地球温暖化トレンドが算出されています。
「九州・山口県地域に限って、気候の長期変化傾向が、より広域の空間スケールで観測される日本域の気候変化とは別のふるまいをする」と考えるべき積極的な根拠がない限り、九州・山口県の1.69℃/100年という数値にも、広域の地球温暖化トレンドである1.15℃/100年が反映されているとみることが合理的と考えられます。
以上の考えから、九州・山口県・沖縄という地域的に広がりをもって気温が上昇しているという観測事実を科学的に説明できる最も根源的な要因が地球温暖化であるという意味で、「最も大きな要因である」という説明をさせていただきました。
IPCCの報告につきましては、様々なご意見があるのも承知しており、また色々な考えがあるのも当然のことと考えます。
しかしながら、気象庁では、人為的な温室効果気体の増加と地球温暖化の因果関係をはじめとする地球温暖化の科学的根拠に関しては、大多数の正当な科学の手順を経た成果をベースとしたIPCC第4次評価報告書を、現時点では最も信頼できるものと考えております。
○○様には、以上のような気象庁の基本的な考えにつきましてご理解いただける幸いに存じます。』
 
やはり思った通り、会見では「地球温暖化が最も大きな原因」と明言していたようだ。「定量的な評価はしていない」と認めていながら、会見では何ら根拠なく「地球温暖化が最も大きい」などとたわごとを言う。しかも自然変動を全く無視して田舎の観測点の気温上昇をそのまま地球温暖化によるものとみなしていることが判明。今回に限ってはNHKは無罪、気象台の会見が大問題だったようだ。しかも明確なねつ造や歪曲を行いながらも「舌足らず」という弁解で、単に説明不足だっただけでねつ造の意図はなかったことを強調している。会見場にいた報道関係者、あるいは彼らからの二次情報でこの観測結果を知った視聴者・読者の大部分は一次情報(気象台発表のレポートそのもの)に触れることはなくそのまま、地球温暖化が進行していると受け取ってしまうだろう。今までもそしてこれからもこうして「地球温暖化神話」が創られていくわけだ。ひどい話だが、情報を受け取る側がきちんとしたリテラシーを身につけておかないと今の世の中どこにどんな詐欺話がころがっているかわからない。特に地球温暖化問題のように研究者や官庁などにも大きな利権がからむ話になると利害関係がある当事者の話は割り引いて考えた方が無難である。きちんと最後まで回答していただいた気象台の担当の方に敬意を表するとともに私なりの反論を返信しておいた。
 
『△△様
このメールには返信は不要です。
○○です。大変答えにくい質問に率直にお答えいただきありがとうございました。おかげさまで気象台の発表とNHKの放送の事実関係がよくわかりました。
反論を述べておきます。
>都市化の影響の少ない地点を選択し平均をとることによって、1.15℃/100年という地球温暖化トレンドが算出されています。
都市化の影響はゼロではありませんし、この1.15℃の中には当然のことながら「自然変動」が含まれています。すべてを地球温暖化の影響による上昇とすることは根拠がありません。したがって
>最も根源的な要因が地球温暖化であるという意味で、「最も大きな要因である」
というのは論理が破たんしています。
何回もお手を煩わせてすみませんでした。真摯にご回答をいただきありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
略(氏名、住所、メールアドレス)』

拍手[33回]

北極海夏季海氷面積最小値の年々変動と太平洋からの熱輸送

 温暖化論者の得意の脅し文句に「北極海の氷が消失してシロクマが絶滅」というのがある。特に2007年夏の減少はグラフを見てもわかるように、それまでの年を大きく上回って(グラフの2008年と2009年はまだ存在していない)マスメディアが大きく騒ぎ立てたため拙ブログでも取り上げた。私自身はこの海氷の減少は大気中二酸化炭素濃度の増加などとは全く無関係と考えているのだが、温暖化論者や環境団体は無条件に「地球温暖化による現象である」と狂喜してうるさくがなりたてるのが常である。
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9月の最小面積は2007年が突出して小さいことが分かる。





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(左)2007年最大時
(3/10:13,945,625km2)

(右)2007年最小時(9/24:4,2545,31km2)


グラフ・写真はいずれも北極圏研究ウェブサイト
より
 最近Geophysical Research LettersにWoodgateらの論文が掲載され、年明け当初は同誌のアクセスランキング上位を占めていた。この論文は北極海の海氷面積問題の決定盤となりうるものであり、今後は上記のような温暖化論者の主張にはだれも耳をかさなくなるであろう。(それでもしつこく訴える無知な環境団体などには冷たい視線を!)

以下ブログ主の要約
 Woodgateらによると、1990年からベーリング海峡の3か所で海流や海水温を連続して観測し、さらに衛星データから海表面温度(SST)を得た。それによると年平均海水輸送は北向きに0.8Sv注1)程度だが、1か月に0~1.5Sv北向きや1日に2Sv南向きから3Sv北向きまで実際には大きな変動が存在する。海水輸送量の年ごとの変動も大きく2001年(0.6Sv)は年間を通して北向きの海流が弱く、2005年(0.7Sv)は年終盤の異常な南向きの海流のために北向きの海流が小さかった。逆に2004年と2007年(~1Sv)は冬季および夏季のほとんどの期間の強い北向きの海流によって最大の輸送量となった。
 海水温は冬季の凍結状態から夏季にはSSTが10℃、海底付近は4℃になる。海底付近の年平均水温は2001年から2002年にかけて約1℃上昇した。(-0.2~-0.5℃→0.1~0.4℃)
 海水輸送量の多さと高水温の間には明らかな関係は認めなかったが、2007年はどちらも高値であった。海峡での海水温は西側が低く東側が高い。熱輸送量は2001年から2007年にかけて増加し2007年には最高の5-6x1020J/yrとなった。これは2001年の熱輸送量の2倍に相当し、Chukchi海に入射する年間太陽放射に匹敵するエネルギーであった。さらにこの輸送された熱量は2007年夏に減少した海氷(約8,700,000km 2)の3分の1を溶かすことが可能であった。ベーリング海峡から流れ込む太平洋の海水(PW)はその正味の輸送量に比して輸送される熱量が大きい。たとえば海水輸送量はフラウ海峡(グリ-ンランドとスバールバル諸島の間)の10分の1だが、輸送される熱量は3分の1である。これらのことからPWは海氷の退縮に重大な役目をはたしていると考えられる。海氷を溶かしたり結合をゆるめて海氷の移動を容易にして、海水面を露出させることによって夏季の日射による海氷の融解の引き金となっている。また海氷が移動することによって太平洋から北極圏へ向かって吹く風が強くなり、これがさらなるPWの流入を起こす正のフィードバックが想定されている。また流入したPWは滞留時間が長く冬季において海面下での熱源になっておりこれは、西北極の海氷を薄くすることに関与しているかもしれない。
 温度と海水輸送量の変化に年ごとにかなりの変動があり、特に輸送量は太平洋-北極海圧較差によって駆動される変動に著明に影響されている。(~0.2Sv相当以上)
 2001年(推定輸送熱量2.6-2.9x1020J/yr)から2004年(同4.3-4.8x1020J/yr)にかけて増加した熱輸送量は層厚1mの海氷を640,000km 2の範囲わたって溶かすのに十分であった。実際に2001年と2004年の海氷面積の最小値の差は700,000 km 2でありこの増加した輸送熱量に匹敵する。(2004年と2007年の最低海氷面積の差は1,530,000 km 2)この年ごとの熱輸送量の変動はChukchi海に入射する年間太陽放射の変動よりもわずかに大きい。この海水輸送量の年ごとの変動は風の強さだけではなくて太平洋-北極海間の圧較差によっても駆動されている。
要約ここまで
 
 結局夏季北極海の海氷の融解は太平洋から北極海に海流で輸送される熱量、大西洋から流入する暖水(赤祖父)、太陽放射によって起こっている。しかもこの論文のデータからは年ごとの夏季北極海の海氷面積の年々変動は太平洋からの熱輸送量に大きく影響されているように見える。もちろん大西洋からの熱輸送量の観測も必要であることはいうまでもないが、大気中二酸化炭素濃度とは無関係である。
 我が家の冬は寒く浴室暖房がほしいと思う今日この頃であるが、浴室を暖房することによって風呂を沸かそうとする人間が果たして存在するのだろうか?ちょっと冷静になって考えればわかる話である。いずれにしても環境活動家やマスメディアに踊らされて騒ぐのはもうやめにしたいものである。
 
注1)1Sv(スベルドラップ)は100万m3/s  
                                (2010年2月3日一部修正)
参考書籍
赤祖父俊一 正しく知る地球温暖化 誠文堂新光社(2008)
 
参考論文
Woodgate, R. A. et al. The 2007 Bering Strait oceanic heat flux and anomalous Arctic sea-ice retreat. Geophys. Res. Lett. 37 L01602(2010)
 

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大気中CO2のresidence time とCO2濃度上昇

  人為的に大気中に排出されたCO2がどのくらいの期間大気に留まるかという問題は、温室効果(赤外活性効果)による温暖化を考えるうえでとても重要である。IPCCの第一次報告書のSPMには大気中CO2のresidence time(RT:滞留時間)は50~200年という見積もりがなされていて、この数値を根拠として現在進行中の大気中二酸化炭素濃度上昇の責任を人為起源のCO2に押しつけている。ところが、これに対して5~15年程度という見積もりが以前より多数存在している。このRTに関して今年のEnergy&Fuelsの5月号にEssenhighの論文が掲載されている。もちろん査読つきの論文である。この中でEssenhighはGCMの替わりにPSRというモデルを使い、CO2のRTは12CO2で5年以内、14CO2で16年程度との結論を得ている。これは他の多くの報告の5~15年と一致した見積もりであり、IPCCの主張する50年~200年よりはるかに小さい値である。Abstractの最後にEssenhighは次のように結んでいる
『短期(5~15年)の滞留時間によって結果は擬似平衡(quasi-equilibrium)であるということを示し、このことはさらにこの100年にわたる大気中CO2濃度の上昇は人為起源ではなくてその他の研究によればほとんど気温の上昇の結果ようであり、そしてその気温の上昇は他の自然要因によるものであるという結果を支持する。これはさらに地球温暖化は燃焼の結果として駆動される人為的なものではないという結論を支持する。』
明解な結論である。リンク先のabstractからはこれ以上のことはわからないが、この論文についてSegalstad(彼も90年代からIPCCが主張している炭素循環に異議を唱え続けている)の解説がある。RTの推定は単純に大気中総CO2量750GtCを自然の交換量150GtC/yearで割った値である。750/150=5年となる。(近藤邦明は交換量を250 GtC/yearとして3年という値を使用しているようだ。)Segalstadは以下のように述べている。
『The rising concentration of atmospheric CO2 in the last century is not consistent with supply from anthropogenic sources. Such anthropogenic sources account for less than 5% of the present atmosphere(中略)The rising atmospheric CO2 is the outcome of rising temperature rather than vice versa.』
『前世紀の大気中CO2濃度の上昇は人為起源からの供給と一致しない。そんな人為起源は現在大気の5%以下しか説明できない。(中略)上昇している大気中CO2はその反対というよりも気温上昇によるものである。』(ブログ主の一応の訳、以下同じ)
『So why is the correct estimate of the atmospheric residence time of CO2 so important? The IPCC has constructed an artificial model where they claim that the natural CO2 input/output is in static balance, and that all CO2 additions from anthropogenic carbon combustion being added to the atmospheric pool will stay there almost indefinitely.』
『それでなぜCO2の大気中RTの正しい見積もりが重要なのか?IPCCは自然のCO2の出入りを静的均衡の中におき、大気プールに付け加えられた人為的燃焼炭素由来のすべてのCO2の付加が、ほとんど不明確にそこに留まり続けるというモデルを構築している。』
 
  結局RTが5年ということは6年前に排出されたCO2はもはや大気中には存在しないということであり、産業革命以来排出された人為起源のCO2の約半分が大気中に蓄積して大気中CO2濃度を上昇させているというIPCCの主張を真っ向から否定していることになる。またSegalstadは今年発表されたIPCC co-chairのSolomon,Sの論文の「RTは無限」という主張にも後半部分で厳しく反論している。
  Essenhighの論文は「大気中のCO2増加は気温上昇による自然起源」という槌田・近藤が以前から主張してきたものと同様の結論だが、この論文がもしも日本気象学会に提出されていたら、当然のことながら日の目をみることはなかったであろう。(笑)(笑)
  槌田・近藤、Segalstadに続いてRoy SpencerそしてついにはEssenhighまで大気中CO2の増加は人類起源にあらず!という説を唱え始めた。人為的温暖化説はその足元からゆらいでいるようだ。もはや自然崩壊寸前に見える。(笑)

参考サイト
参考文献
Solomon, S. et al.: Irreversible climate change due to carbon dioxide emissions. Proceedings of The National Academy of Sciences of the USA [PNAS] 1066: 1704-1709.(2009)

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キリマンジャロの真実

温暖化論者にとって、キリマンジャロの氷河の縮小とシロクマの絶滅は「聖域」のようである。両者とも温暖化とは無関係のことはすでに明らかになっているにもかかわらず、大衆受けするテーマであるため環境活動家が確信犯的に宣伝に利用しそれに乗せられたマスメディアもしばしば大きく取り上げている。さらに事実を知らない「善意の人々」がインターネットなどでこれを増幅している、というのが現状と思われる。
シロクマについてはお膝元、アラスカIARCの赤祖父俊一の著作に詳しい。またキリマンジャロに関しては以前、氷河の縮小と気温の上昇は直接関係はないというKaserの論文を拙ブログでも紹介している。またゴアの映画「不都合な真実」でもキリマンジャロの問題が取り上げられていたが、イギリスの裁判所からダメ出しをされたという事実がある。したがって今さらキリマンジャロの問題に関しては興味がないのだが、この問題に関する貴重な観測記録を記載した論文が出たので少しだけ触れておく。
Duaneらは高度1890mから5800mのキリマンジャロの南西斜面に散在する7ヶ所の測候所で地上1.5mの気温と相対湿度を2004年9月から2006年1月までの16ヶ月間の11600時間にわたって1時間おきに記録している。高度と気温の関係は一様ではなく森林地帯では気温の変化は緩やかになり、逆に雪氷地帯では急に変化する。平均的に相対湿度と水蒸気圧の絶対値は高度が上昇するにつれて減少するが、季節や日中の相対湿度の変化は山頂に向かって大きくなる。日中の強い上昇流によって水蒸気が山頂に向かって運ばれ夜間の下降流によって山頂部は乾燥する。(参照、山岳地域の局地風:山谷風)特に6月、7月は低地の冷却が強く山頂の水蒸気を減少させ結果として対流活動も弱めることになる。このことは相対湿度>95%域を代替指標としたこの期間の雲量の減少によっても支持されている。キリマンジャロの低高度の斜面が山頂部の水蒸気の主な供給源であることが観測された。彼らはこれらのデータから近年のキリマンジャロの氷河の減少について議論している。
一応引用先のAbstractではここまで。あとはCO2scienceからの引用となる。彼らのデータによれば気温は最も高い地点でも氷点以下に十分とどまっており雲の被覆と湿度のパターンが氷河と気候の相互作用に関する理解に対して中心になる。現在のキリマンジャロの山頂部のほとんどすべての水蒸気は山岳熱循環によって低高度の斜面から運ばれている。(つまり高高度の水平移流よって運ばれるものはほとんどないということである。)このことから普通に考えれば氷河の縮小の原因として「気温は無関係」。さらに乾燥化の原因として「低高度の斜面からの水蒸気の供給が減少した」か「昔は高高度で水平移流が(たとえばインド洋上空から)があったが、今は大気の大規模循環が変化してこれが無くなった」ということが考えられるであろう。もしも温暖化論者がキリマンジャロの氷河の縮小の原因を地球温暖化(=大気中CO2濃度上昇)のせいにどうしてもしたいのならCO2濃度の上昇で大気循環が変化したことを証明しなければなるまい。昔と今の写真を比べて騒ぐだけでは説得力は皆無である。
 Duaneらのデータは「キリマンジャロの低斜面は山頂の氷河を成長させる『雪』と地表面のエネルギー収支に影響を与える『雲』の形成の両方に対して重要である」ことを強く示唆している。また「日中は森林地帯からの水蒸気の正味の輸送があり、低地の森林伐採の結果としての土地利用の変化がより高地への水蒸気の供給効率を弱めているというこは言えるかもしれない。」と乾燥化の原因として大規模大気循環の変化より、低高度斜面の乾燥化を第一に考えているようである。これは先に紹介した乾燥化を指摘したKaserの主張を支持する内容である。どっちにしても温暖化が原因ではあり得ず「そんなの関係ねぇ」と思ってテーブルの上のコーヒーを見たら「キリマンジャロ、タンザニア」とある。もしかして原因はこれ?1880年頃からこの地域でコーヒー栽培が始まっていたとしたら・・・・・・。
(2008年10月4日一部修正)

参考論文
Duane, W.J.et.al. General characteristics of temperature and humidity variability on Kilimanjaro, Tanzania. Arctic, Antarctic, and Alpine Research 40: 323-334.(
2008)

参考サイト
CO2science
Kilimanjaro's Summit Glaciers

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