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悪魔のささやき

気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!

   

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海洋酸性化と石灰殻生物

 CO2の起源はどうであれ大気中CO2濃度が上昇すれば海洋表層のpHは低下する。(厳密には「酸性化」ではないが、便宜上ここではこの現象を「酸性化」と呼ぶ。)これはPETMでも起こった事実である。温暖化論者はこの現象が進むとサンゴなど炭酸カルシウム殻を持つ生物への影響を声高に叫んでいる。これに関連して2009年のScience(11月20日号)にYamamoto-Kawaiらによる論文が掲載されている。
2008年の北極海カナダ海盆の調査では表層水はすでにアラレ石(aragonite)に対しては未飽和になっている。この変化はカナダ海盆における最近の海氷の広範な融解の直接的な結果である。さらに大陸棚を破壊して通過した海氷の後退が北極海の大陸棚の上へアラレ石に未飽和の海水が表面下の増強される湧昇に好ましい条件を生み出している。注:表層より下層のアラレ石に未飽和の海水が表面に湧昇しやすい状態になっているということらしい。なぜ下層の方が未飽和なのかというのは残念ながら私にはわかりません。:byはれほれ未飽和状態は浮遊性、底性両方の石灰殻を持つ生物相、さらには北極海のエコシステムの構成に影響を及ぼすであろう。」
 すでに炭酸カルシウムでも方解石(calcite)に比べて溶解しやすいアラレ石に関しては予想より早く未飽和の状態になっており生物相への影響が懸念されている。まさに温暖化論者が小躍りする内容である。しかし実際の生物界への影響はどうであろうか?5550万年前のPETM時には現在の数倍の大気中CO2濃度からさらに短期間で12CリッチなCO2の排出が起こっている。石灰殻生物にとっては現在よりはるかに悪条件が重なった状態であったはずだ。それでもサンゴをはじめとする生物は現在まで繁栄を続けている。たとえ温暖化論者が何と言おうとこの事実は重く、もし影響が及ぶとしてもPETM以後に現れた比較的新しい生物群に限定されると考える方が自然である。いまだ証拠がなく、生物相への悪影響は彼らの「妄想」の範囲を出ていないのである。
 2008年のScienceにIglesias-Rodriguezらが高CO2濃度下において植物プランクトンの一種coccolithophoreの石灰化が実際に促進されていることを報告した例を拙ブログでも紹介したが、現実は温暖化論者が主張するほど単純ではないことを示す一例である。さらにGeology 2009年12月号にRiesらが興味深い実験結果を発表している。アラレ石、低Mg方解石、高Mg方解石の3タイプの炭酸カルシウムを合成する18種類の底性海洋生物を種々のCO2濃度の下で60日間の飼育実験を行った。(abstractからは温度や圧力は不明) 
 結果は10種の生物は正味の石灰化の減少を示し、そのうちの数種は上昇したCO2濃度下では正味の融解が起こっていた。しかし予想に反して1種(ムラサキイガイ)はCO2に対して全く反応がなく、残りの7種(カニ、小エビ、ロブスター、紅藻、緑藻、温帯ウニ、カサガイなど)は中程度や最高レベルのCO2濃度でも正味の石灰化の増加が見られた。これらのことは石灰化を起こす場所のpHを制御する能力が生物間で様々であることを反映しているのかもしれない。さらにこれらの結果は大気中CO2濃度の増加の海洋生物に与える衝撃は以前考えられていたより多様であることを示唆している。
  さらにサンゴ、硬いハマグリ(hard clam)、ロブスターはCO2濃度1000ppmvまではまったく石灰化の量は変化せずそれを越えると前2者は石灰化が減少し後者では増加するという。これに対して軟らかいハマグリ(soft clam)やカキではCO2濃度の上昇の割合に比例して石灰化の減少を認めたという。最も顕著な例ではCO2濃度2800ppmvになると、アラレ石が溶解を始める。硬・軟ハマグリ、ほら貝、たまびき貝、えっちゅうばい貝、熱帯うにの殻は溶け始める。この状態が十分な期間続けばこれらの生物は殻を失い捕食者に対して無防備な状態になると考えられる。ただし、生物相互間の関係は複雑である。カニはハマグリを捕食するためCO2濃度の増加によって自分の殻は強化される一方で餌となるハマグリの殻は薄くなり捕まえやすくなる。しかし長期にわたってこの状態が続いてハマグリが減少すればカニもいづれは生存が危うくなるかもしれない。早い話が人智の及ぶ範囲ではないということだ。最後に注意としてこれらの実験は栄養が十分に行き届いた条件で行われており、硝酸塩やリン酸塩などの栄養分の欠如によっては違った結果が出るかもしれないと述べている。
 これらのことから言えるのは、CO2濃度上昇がすべての生物の石灰殻の形成を抑制するとは単純には言えず、その影響は様々であるということだ。すなわち生物界は温暖化論者が考えているよりはるかに複雑であるということである。自然界のすべてを理解し、気候でさえもコントロールできる、さらには100年後でさえもスーパーコンピュータを使えば予測できるなどと考えている温暖化論者というのは単に愚か者が思い上がっているだけ、としか思えない。
 
参考論文
 
Yamamoto-Kawai,M. et al.  Aragonite Undersaturation in the Arctic Ocean: Effects of Ocean Acidification and Sea Ice Melt. Science 326. p1098 – 1100(2009)
 
Iglesias-Rodriguez,M.D. et al. Phytoplankton Calcification in a High-CO2 World. Science 320. p336-340 (2008)
 
 
参考サイト
 
Woods Hole Oceanographic Institution
 
 
 

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