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悪魔のささやき

気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!

   

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過去200年のサンゴの白化現象とエルニーニョ

1960年以前はサンゴの白化現象の報告がほとんどない。それゆえ環境活動家の多くはサンゴの白化は新しい現象であると主張している。またそのことは「20世紀最後の20年の温暖化はこの1000年のみならず過去100万年でさえも前例がない」という気候警鐘家の論点を支持するために使用されている。(たとえばHansen,et al
Yuらは西太平洋の暖海水の影響を直接受ける位置にある南シナ海のYongsyuリーフとMeijiリーフの二つのサンゴ礁で高精度TIMS-Uシリーズ法(誤差±1-2年)を用いてサンゴの大量死が起こった年代を過去200年にわたって検討している。

その結果、この二つのリーフは離れた位置にあるにもかかわらず少なくとも 1869-18731917-19201957-196119711982-19831999-2000 6回、両者に大量死が同時に起こっており、これは大規模な広域イベントによるものと考えられた。さらにこのうち近年の4回はエルニーニョの時期1997199819911992198219831972197319571959と関連しており、エルニーニョ時の高水温による白化現象がサンゴに大量死をもたらしたものと考えられている。これからそれ以前のサンゴの同時大量死も同様にエルニーニョによる高水温が原因と推測できるだろう。つまり二酸化炭素濃度が上昇する以前よりサンゴの白化現象は存在していたし、大量死を経験してもサンゴ礁はそのたびに回復してきていたということだ。それゆえ白化現象が起こったからといって多くの環境活動家のように「サンゴが絶滅する」などと騒ぐ必要もないし、気候警鐘家のように「現代が異常に温暖な時代である」と金切り声をあげる必要もない。彼らの主張はもはや完全に根拠を失っている。

サンゴ礁の回復過程に関してパラオでの研究が報告されている。(↓のAbstract、飛ばないことあり)
 

Golbuuらは1998年の世界的な規模の白化現象のあと2001年~2005年までパラオでのサンゴ礁の復元の状況を報告している。残存サンゴの再増殖や他所からの補充によって回復率は7年で30%~40%となっている。これは火山噴火によって被害を受けた後5年で60%以上の回復を示したバンダ海のサンゴ礁よりは回復のスピードが遅いが、(Tomascik,T et.al)着実に回復していると言えるであろう。またGuzman and Cortesはコスタリカでは1982–1983年と1997–1998年にほとんど同じ水温上昇がおこったにもかかわらず後者の白化現象の方が軽度であったとしてサンゴ礁の高水温に対する耐性が増加し、適応のあとが見られると指摘している。同様の報告は日本南方、パナマ・エクアドルなどからも寄せられており「サンゴの白化現象」で書いたようにより高温に強い共生藻を選んで復活しているように思える。TheorySurgeryも「マスコミに踊らされないための地球温暖化論入門」にて同様の主張を紹介している。サンゴは人類よりもはるかに長い時間を生き抜いており、その生き残り戦術は人間など考えも及ばないほど長けていよう。そんな達人の生存の心配をするなど愚か者のすることである。いや利用しているだけか、なるほど。

Bleaching is cleaning.

参考サイト:Recovery of Palau's Coral Reefs After the ENSO-Induced Bleaching Event of 1998

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無題

  • by さめ
  • URL
  • 2007/12/20(Thu)01:12
  • Edit
サンゴの死滅に関しては、地球温暖化などよりも未だに無計画に広げられている開発行為の方がよほど問題であると考えます。未だに広範囲にわたるサンゴ礁域の埋め立て計画を許しておいて、サンゴの死滅を温暖化のせいにするとは図々しいにもほどがあると思います。

Re:無題

  • by はれほれ
  • 2007/12/22 13:03
こんにちは、管理人のはれほれです。コメントありがとうございました。ここでとりあげたのは世界的規模またはかなり広い範囲でほぼ同時期に起こるサンゴの白化現象です。さめさんのおっしゃるローカルな水質汚染の問題については私には知識がありません。申し訳ありません。

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