注:ここではイソプレンとオゾンの関係がわかりづらいのでよろしければ「イソプレンのまとめ」もあわせてご覧いただくようお願いします。(2008/2/17)
「CH3
イソプレン(Isoprene:C5H8,CH2=CH-C=CH2)というこれまた我が国ではあまり報道されない大気中微量気体がある。
イソプレンは植物から豊富に排出される反応性に富む非メタンの炭化水素であり、対流圏オゾン産生の大部分に関与している。
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現代におけるイソプレンの膨大な排出は海域で40%、陸域で50-60%も表層オゾン濃度を増加させる可能性がある。
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現代の対流圏オゾン濃度は大気中でのメタンの寿命を約14%伸ばすかもしれない。
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上記より、植物からのイソプレンの排出を減少させるものはすべてこれらの問題となる現象を改善する傾向がある。そして逆もまた真である。
最近Monsonらは大気中CO2濃度と植物のイソプレン排出の関係について貴重な実験結果を報告している。高CO2濃度で植物を培養したところイソプレンの排出は顕著に抑制されたという。そしてこの減少はCO2濃度の上昇による正味の一次生産(NPP)の増加を完全に相殺するだけの効果を持っているという。ところが、現在の気候モデルではこのイソプレンに関して
「CO2濃度上昇→正味の一次生産増加→イソプレン増加→メタン寿命延長→メタン濃度上昇→温室効果増強→温暖化↑」
というお決まりのパターンになっているという。
Monsonらは自身の実験結果から現在の気候モデルはイソプレンの反応に対して大きな誤りを含んでおり早急に改められなければならないと主張している。つまりそんな誤りを含んだ現在のモデルの気候予測など全く信用できないと言えよう。
CO2 scienceのIdsoはIPCCのモデリングにおいてこんなことはイソプレンに限ったことではないと主張している。すべてが温暖化するように動かされていると考えて間違いないようだ。
それにしてもこんな「イソプレン」など一般人は聞いたこともない物質を持ってきてポジティブフィードバックで温暖化を増幅させていたとはモデラー連中も苦労しているようだ。
(12月19日マイナーチェンジ)
参考サイト
参考論文
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