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悪魔のささやき

気象予報士の視点から科学的に捉えた地球温暖化問題の真相を追究。 地球温暖化を信じて疑わないあなたの耳元に聞こえる悪魔のささやき。それでもあなたは温暖化信者でいられるか?温暖化対策は税金の無駄遣い。即刻中止を!!! Stop"Stop the global warming."!!

   

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京のサクラが語る真実

  以前に拙ブログの「京のサクラと太陽活動の記録」で紹介した古文書からヤマザクラの満開日を推定して生物季節学的方法により京都の3月の平均気温を再構築した論文の続編が出た。前論文では801年から2005年までの期間のうち1401年から現在までは7割以上の年の気温が推定されており信頼度が高かったのに比べて、1400年以前のデータは50%以下であり、今回の続編では1400年以前の生物季節学的データを追加して、この期間の再構築された気温の信頼度を上げることに焦点があてられている。また著者らはヤマザクラの満開日だけでなくフジの満開日も調査し、これらが相関関係にあることを示したのちフジの満開日からヤマザクラの満開日を推定したのち3月の平均気温の再構築を行っている。得られたものが下図である。
 Aono2010.jpg
 
 
( 一番下のCがヤマザクラ+フジから得られた31年平均の結果:中央の横軸は現在平均の7.1℃のライン)




10世紀半ばの3月の平均気温は約7℃前後でピークは7.6℃。これは現在の平均気温7.1℃(都市化の影響を補正済みの値)より幾分高いようである。その後は寒冷化に向かい1180年から1310年にかけて再び温暖化し、14世紀初めに現在と同レベルの7.1℃になったのち以後は寒冷化傾向を示している。このパターンは日本のスギから得られたδ13Cに基づく他の研究ともおおむね一致している。これらの温暖化はヨーロッパの中世温暖期(MWP)に対応するものであろうと著者らは述べている。私見では、MWPの存在は一般に認められており認めていないのはIPCCと職業としてウィキペディアからMWPを削除しまくっている環境団体の人間だけである。(笑)

 今回の論文では太陽活動との関連について直接的な言及がなかったのは個人的には少し残念である。ただし、
10世紀が少なくとも現在並に暖かかったということが、サクラの開花記録からも明らかになりました」(Aono,Y;PrivateCommunication)
ということは大きな成果であろう。またこの時期は
10世紀といえば、名大のグループが気候の温暖化を屋久杉のδC13から明らかにした時代とも被りますし、最近では、元名大の宮原ひろ子さん(現・東大宇宙線研)が、太陽活動の周期が9年と短く活発であったことを明らかにした時代とも重なります。」(同)
ということでやはり、太陽活動とは密接な関係を感じさせる論文である。

また著者らは都市化の影響として1.5℃を現在の推定値から差し引いている。これは1920年以降の京都と彦根の観測値のかい離に基づいて算出した数値である。(つまり彦根は1920年以降都市化していないという前提のもとではじき出した)彦根自体私は訪れたことがなく本当にそれほど田舎なのかどうかわからないが、一応都市化の影響が少ない都市として我が国の平均気温の経年変化を求める際に使用されている。しかしここにも論文著者ならではの大変な苦労があるようだ。
最も頭を悩ませるのが現在の気温の基準を何処に置くか、つまり、都市温暖化の影響をどのように差っぴくかということです。」(同)
私の個人的な印象としてはいくら彦根が田舎とはいえ1920年来都市化の影響が見られないということは考えにくく、もっと数値は大きいのではないかと思っている。そうすれば明らかにMWPは現在より暖かかったことになり、IPCCをはじめとする温暖化論者の主張の論拠となっている「現在は人為起源のCO2によって過去に前例のない暖かい時代である。」が完全に崩壊することになる。

参考論文など
Aono,Y. & Saito,S. Clarifying springtime temperature reconstructions of the medieval period by gap-filling the cherry blossom phenological data series at Kyoto, Japan. Int J of Biometeorology54;p211-219(2010)
 
 
 
 
おわび)
論文自体は青野先生より5月末に送っていただいていました。ありがとうございました。blog主はこの4カ月ほど高血圧とそれに伴う頭痛により、「高気圧」も「高血圧」と読み間違えてしまうほどの体調の悪さでした。(笑)降圧剤5種類服用にて最近ようやく楽になり、$と株価の下げ止まりによってまた少し軽快傾向が出てきました。(笑)アップが遅れたことを陳謝します。

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科学の楽しさ

  • by 地球温暖化
  • URL
  • 2010/09/21(Tue)18:42
  • Edit
古気候の再現は、難しいことでしょうが、ヤマザクラ+フジ、屋久杉のδC13、そして、他にもいろいろある世界中のデータ。一つ一つ誠実なデータの積み重ね。それを総合していったい何が見えてくるのか。科学の楽しさを再確認。

それに比べて、地球温暖化対策の政治は、自分で好きで調べているんですが、嫌になります(笑

御身体、お大事に。

Re:科学の楽しさ

  • by はれほれ
  • 2010/09/22 20:19
こんにちは、はれほれです。
>古気候の再現は、難しいことでしょうが、ヤマザクラ+フジ、屋久杉のδC13、そして、他にもいろいろある世界中のデータ。一つ一つ誠実なデータの積み重ね。それを総合していったい何が見えてくるのか。科学の楽しさを再確認。
そうですね。CO2scienceのIdsoなんかもMWPを積極的に調査しています。
http://www.co2science.org/data/timemap/mwpmap.html
青野先生の古文書からの再現のすごいところはこつこつと根気がいるところですね。わたしだったら太陰暦を太陽暦に変換するだけでいやになってしまいそうです。(笑)

>それに比べて、地球温暖化対策の政治は、自分で好きで調べているんですが、嫌になります(笑
お疲れ様です。どうやら世界的な流れとしては温暖化問題はうやむやのうちに幕引きになりそうですが、極東の一部の国では無能な政治家のせいで生き残りそうです。粘着気質のコメント欄(雑草氏ではありません)軽くあしらわれてお見事でした。

>御身体、お大事に。
ありがとうございます。家族からもそのようなことを言われたことはありません。(笑)今まで私の体調を気づかってくださったのは近藤邦明氏くらいです。

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