前回、自分に不都合な論文がpublishされそうになった時のイーストアングリア大学のClimatic Research Unit(CRU)の気候学者達のやり方を学んだが、今回のテーマはもしも知らない間にそんな論文がpublishされてしまったときの対処法を研究してみる。(笑)
ことの発端は2003年にClimate Research誌に温暖化支持派のCRUグループにとっては実に不愉快な論文が二つ掲載されてしまったことである。Climate Researchは査読つきの論文雑誌であり、CRUの連中はあわてたようだ。たとえば2003年3月11日にMannからJonesへ当てた電子メールには次のように書かれている。
「I believed our only choice was to ignore this paper. They've already achieved what they wanted--the claim of a peer-reviewed paper.」
「我々の唯一の選択肢はこの論文を無視することであると信じる。彼ら(懐疑論者)は欲しがっていたもの、査読つきの論文という主張をすでに手に入れてしまった。」
「So what do we do about this? I think we have to stop considering "Climate Research" as a legitimate peer-reviewed journal. Perhaps we should encourage our colleagues in the climate research community to no longer submit to, or cite papers in, this journal. We would also need to consider what we tell or request of our more reasonable colleagues who currently sit on the editorial board...What do others think?」
「このことに関して我々は何をするべきか?我々は"Climate Research"誌を正当な査読雑誌として考慮するのをやめるべきだと私は考える。我々は気候研究における我々の同僚にこれ以上この雑誌への投稿や引用をしないように奨励するべきである。我々はまた我々の伝達したい事や最近編集委員になったもっと理性のある我々の同僚に要請することを考慮する必要がある。他の皆はどう思うか?」
要するに自分達の気に入らない結論の論文を載せた雑誌に対して、圧力をかけることを呼びかけたわけである。Michaelsの記事によると、
「JonesやMannらの脅迫の結果Climate Research誌の編集委員の半分が辞めた。(人数は不明)これ以後はCRUグループでない人々は論文をpublishすることがしだいに困難となることを経験し始めた。」
つまり、CRUグループと異なる見解の論文は世に出ることが、ますます困難になっていった。さらに2004年12月のScience誌に掲載されたOreskesのエッセー「人為的温暖化に反対する論文はひとつもない」へとつながり、「人為的温暖化に反する事実がないから論文が存在しない」というようにウソが世界的に広められて行くのである。しかし今、「コンセンサス」の内幕が暴露されてみるとCRUグループ(≒IPCC)がやってきたことはヤクザと同じ恐喝である。Michaelsは記事のなかで「mob(暴徒)」という言葉を彼らに対して使用しているがまさにドンピシャの単語だ。
① Little Ice Age(LIA)があったかどうか。
② Medieval Warm Period(MWP)があったかどうか。
③ 過去1000年で20世紀が最も高温といえるかどうか。
以上の3点について調査し、結果はLIAおよびMWPともに2つのプロキシを除いて世界各地の記録からその存在が確認されている。さらに、
「most of the proxy records do not suggest the 20th century to be the warmest or the most extreme in their local representations.」
「代理記録のほとんどは20世紀が最も暖かいとか局所を代表して最も極端な気候であるということは示唆していない。」
と結論している。時代背景を考えるとこのようなホッケースティックを否定する結論の論文が掲載されたことは「奇跡」なのかもしれない。あらためて当時のClimate Research誌の「公正さ」に敬意を表したい。しかしこの論文が、ホッケースティックの生みの親Mannの気に障らないはずがない。もともとホッケースティック自体が「人類起源のCO2によって20世紀は前例のないほど暖かい時代である。」という彼らの「教義」にあわせて作られたものである。そして今度はそれを守るために異論を頭から排除するという暴挙に出ている。これは科学ではなくて宗教である。科学なら提示された証拠に対して議論が戦わされるべきである。Michaelsによれば、Baliunasは彼らmobからの嫌がらせにやる気を失なくしたようで、科学の表舞台から姿を消してしまった。世界は優秀な宇宙物理学者を一人失ったことになる。彼女のHPも2004年以降更新されていない。とても残念である。
「20世紀が前例になく暖かい時代である」という「教義」のためには彼らmobにとってMWPが目の上のタンコブである。そして彼らの情報操作はMWPを抹消する方向に動いて行くことになる・・・・・・・。続く・・・・かも。
ClimateGateからの教訓2;自分達に不都合な論文を載せた雑誌には投稿・引用をやめると編集者を脅迫せよ。
[2回]
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COMMENT
リンクしました。
■HP管理者からNo.453からリンクさせてもらいました。
リンクありがとうございました
リンクありがとうございました。
洋の東西を問わず、この温暖化問題では「査読」が「検閲」の役目をはたしていたようです。ただ、データの改ざんはイーストアングリアの連中ではなくて米国発だったようです。
http://www.climategate.com/is-the-noaa-not-cru-is-ground-zero-for-exaggerated-warming-data
英語で私も良く理解できていないのですが、NOAAのデータをまる写ししたデータがすでに改ざんされていたようです。サンディエゴのKUSIテレビで数日前に放映された番組がインターネット上にアップされていますのでBERSERKHAWKWIND さんが日本語訳がつけてくれるのを気長に待ちます。(笑)
http://www.youtube.com/user/BERSERKHAWKWIND